拷問乙女
□第8章
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たった半年もなかったかもしれないけれど、
あいつが居た時間は、
今でもかけがえの無いくらい大切な記憶だ。
血の繋がりなんか無くても、知って日が浅くても
俺を兄を慕ってくれていたのはあいつの真意だし、俺もそれを心地よく思った。
何にも知らないし、力が尋常じゃないし、ちょっと常識外れてて普通じゃなかったり、
一部の者には気味悪がられたいしてたけど
俺にとっては大切な妹で、家族だった。
唯一無二の、初めての兄弟だった。
だからこそ、月日は短くとても浅いものでも、
とても、楽しかったんだ。とても
なぁラテス・・・、お前は今どこで何をしている?
考えたくはないが、もしかして・・・
いや、
ただ、願うよ。
お前が生きてまた、ここで笑うこと。
お前が生きてまた、ここで共に暮らすこと。
まだまだ教えたいことがある。
話したいことも増えた。
父が亡くなってしまったことや、俺がファラオになったこと。
信じてる。
早く、戻ってきてくれ・・・。
ラテス・・・―――