薔薇模様

□愛しい時
1ページ/4ページ





「なぁローデリヒ」

「なんです」

「今度このお菓子教えてくれよ」

「ザッハトルテですか、そうですねぇ…」


―――――・・・・



私はこの、どかな時間がとても愛おしく感じる。




紅茶の葉を持って少し恥じらいながら玄関先に立つ彼を迎えて、
自慢の庭にエスコートし

テラスに座る。


私が用意していたお菓子を出すと
台所へ行き、紅茶を淹れにいく。



知っていますか

私はその背中を見るのがとても好きです。
何かに一生懸命になっている姿は
どんなときより輝いて見えますから。
次へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ