薔薇模様
□愛しい時
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「なぁローデリヒ」
「なんです」
「今度このお菓子教えてくれよ」
「ザッハトルテですか、そうですねぇ…」
―――――・・・・
私はこの、どかな時間がとても愛おしく感じる。
紅茶の葉を持って少し恥じらいながら玄関先に立つ彼を迎えて、
自慢の庭にエスコートし
テラスに座る。
私が用意していたお菓子を出すと
台所へ行き、紅茶を淹れにいく。
知っていますか
私はその背中を見るのがとても好きです。
何かに一生懸命になっている姿は
どんなときより輝いて見えますから。