◆駄文部屋

□好きだけど嫌い…でも大好き
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「ねぇネズミ…」
「…」
「ネズミってば…」
「…」
「ねぇネズ「あーもう!なんなんだよ…うるさい!」
読み途中の本から目線を紫苑に移す。
さっきからこの調子でずっと呼びかけてくる紫苑。
本に集中したくてもちっとも集中できない。
「暇なんだ…」
ポツリと紫苑の唇から言葉が溢れた。
「は??」
思わず紫苑を見つめる。

(なんだそれは…暇だからずっと呼んでたのか?)
「いや、だから暇なんだよネズミ。」
「そんなことで読書の邪魔をするな。」
はぁっとため息が自然に溢れた。
なんなんだこの坊っちゃんはと頭が痛くなる。
「う…ご、ごめん。…でも君と一緒にいるんだから君と…何かしたいって…」
紫色の瞳を伏せながらポツリポツリと言葉を紡ぐ。
まるで誘うような台詞に頭痛が酷くなる。
「…はぁ…陛下は何をお求めで?」
全く意図が掴めない。
これだから天然は嫌だ。
でもこんな天然の言うことに一喜一憂している自分がもっと嫌になる。
「えっ!?」
キョトンとした顔で紫苑が首を傾げる。
「は?何、なんかしたいって言っといて何も考えてなかったのか?アンタ…」
「う…うん…」
困ったようにうなずく。
「くっ…ははっ!何だよそれ?意味わかんねぇ」
あんまりにも間抜け面な紫苑に思わず吹き出してしまった。
「わ、笑うなよ!」
かぁっと頬を染めながら恥ずかしそうに眉を潜める。
「じゃあ、暇を持て余している陛下のために、ご奉仕いたします。」
恭しくお辞儀をすれば、更に頬を染める紫苑。
「き、君はズルイ…」
恥ずかしそうにうつ向いている間に、スッと立ち上がり、紫苑との距離を縮める。
「ズルイ?それはアンタだよ。」

(いつもいつもアンタの不意打ちにやられる…)

「さて、読書の邪魔までしてくれたんだ。それなりに覚悟は出来てるな紫苑?」
にっこりと妖艶に微笑む。
「えっ!?」
驚いたように目を見開く紫苑を抱き抱え、ベッドの上に降ろせば要約意味がわかったのか慌てて抵抗を始める。
「ちょ、ネズミ!ま、待って!!」
「無理だ。アンタが誘うようなこと言うから悪いんだからな?」
諦めろと耳元で囁けば、ささやかな抵抗もさらに弱々しいものへと変わる。
「そ、そんなつもりじゃなかったのに…」
弱々しく紫苑が呟いた。
「ナニかしたかったんだろ?紫苑?」
「……なんかネズミが言うとやらしいっていうか…んっ!」
まだ言葉を紡ごうとする唇を塞ぐ。
「んんっ…ふっ…ネッ…ネズ…ミッ!」
紫色の瞳が潤む。
とても綺麗だと思った。
「んっ…はっ…ネ…ズミ…のバカッ…」
肩で息をしながら涙目で睨みつけてくる紫苑。
しかし、その顔は煽るだけでしかない。
「さぁ、たっぷりご奉仕いたします。陛下?」
「…優しくしてくれ…」
諦めたように紫苑が言う。
「もちろん。陛下の為にうんと優しくいたします。」
にこりと微笑み、再び口付けを交したのだった。



アンタが好きだ
君が好きだ

アンタなんて嫌いだ
君なんて嫌いだ

でもやっぱり…
大好きなんだ。











あとがき

わぁー!初めてのネズ紫…意味不明で本当にすみません(泣)
もっと精進いたします!
 

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