リク文
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「はぁあ…。」
今日も朝から盛大な溜め息が三番隊に流れる。
これじゃダメだ!と自覚はあるが…。本来いなきゃいけない人間がもう4日も姿を現していないのだ…。自然皆の口からは溜め息しか出なくなるのも当然で…。
「副隊長…。生きてますか?」
机に突っ伏し、書類に埋もれている自分を叱咤し、う〜ん…と唸りながら顔を上げた。
「…探しに行くよ。今日こそ…連れ帰る!」
語尾こそ強いが、目は宙をさ迷ったまま…ヨシ、まだ自分の状態は自覚出来る!
「い、行ってらっしゃいませ…。」
引き気味な三席を横目にフラフラと僕は部屋を後にした。…あまり大丈夫に見えなかったらしい…。
「すみませ〜ん。吉良入ります。」
あまり気は進まないが…。
「ああん?」
今日も寝てないのか不機嫌全開の阿近さんが此方を睨む。
…毎日来てるからなぁ…。いい加減呆れてるんだろうなぁ…。
「まぁた隊長探しか?ご苦労なこって。」
いねぇぞ、とばかりに手であっち行けをされてしまった。間違い無く寝てない…。
ため息だけ残して僕は即座に研究室を後にした。
「すみませ〜ん、吉良入りま〜す。」
ここは割と気楽に入れる。
雰囲気が柔らかいからかな?
「あ、吉良くん。」
優しく微笑んだ雛森くんが迎えてくれた。
「隊長は…」
「いないわよ。」
…変わらない笑顔でありがとう…。
「じゃあ…行くね…。」
「大変ね〜。うちの隊長もたまにいなくなるけど、ちゃんと地獄蝶で報告くれるわよ。吉良くんもそうしたら?」
…有難い言葉だけど…あの隊長がマメに連絡くれたら、むしろ悪巧みしてるんじゃないかと逆に不安だよ…。
「頑張ってね〜。」
手を降る雛森くんに微笑んで部屋を出た。
…残るは…。一番嫌なんだよね…。もし、いたら…どうしよう…。
毎日の事とは言え、いつも葛藤する。見つかって欲しいけど…一番いて欲しく無い場所…。
意を決して扉の前に立つ。隊長の霊圧は感じない…。ヨシ!
「すみません、吉良入り…」
言いかけて中の声に止まる。
「バカね〜、ギン。…市丸隊長。」
「なんや、言い直さんでええよ。二人っきりやん。」
「そう?じゃついでに…あんた悪趣味だわ。」
アハハ…。と二人仲良く笑いあっている。
…霊圧消してまで…松本さんと…二人で…?
グラリ、と足下が揺れる感触を感じ、僕は意識が途切れる予感に目を閉じた。