草書

□再会
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《SIDE G》


「やぁ、ギン。お誕生日おめでとう。」


…藍染さん…?

よく分からないが藍染に呼び出されたと思ったら物凄い量の和菓子を渡された。


「…これは?」

「ギンの誕生日だからね、現世で有名と言われる和菓子を要に頼んで買ってきて貰ったんだよ。」

「はぁ…ありがとうございます。」

じゃ、とそれだけ言うと踵を返して出ていった。


…あの人、今そんな場合やないって分かってるんかいな…?

何だかんだ言っても隊長や副隊長が侵入。オレンジの仲間も参戦して、今そんな事してる場合やないと思うんやけど…。

…まぁ、部下思いな自分の演出か、ホンマに覚えててくれたんかは怪しいとこやな。

…そんな事はどうでもいいんや。

両手いっぱいの和菓子を部屋に運びながら、想いは別に飛ぶ。

…ついに、来た。イヅルが…。

お腹の辺りがくすぐったい気がするんや。ワクワクするような、ハラハラするような…こんな気持ちになるんは久しぶりや。

あまり変わらない表情やけど、今日だけはちょっとニヤけてるんやないかな…。

ボクの誕生日にイヅルが同じ地にいる…。会った瞬間刀を向けられるかもしれんけど、会える!って

「市丸。何処へ行く?」

大量の和菓子を部屋に置き、出た瞬間要に腕を掴まれた。

「あら〜、相変わらず的確に掴みはる。実は見えてるんと違います?」

ヤバいのに見つかったわ。まだ待機って言われとるんに、イヅル見たさに外に出たりしたら間違い無くボク追って来るわ、この人…。

「…外に…吉良に会いに行くのか?」

「は…?」

予想外の質問や、どうしはったんやろ?

「はぁ、待機やさかい無理ですやろ?」

すっとぼけとこ。藍染さん出てきたら面倒やし。

「…行け。」

「…は?」

聞き間違いかいな?ボク危うく開眼しかけたわ。

「藍染様が…今日だけは市丸を自由に、とのお達しだったのだが…。一応行くなら報告するべきだと思ってな…。」

…何やて?行ってええの?!しかも自由?うわぁ!時間無駄にしたわ!イヅル!今行くで!

「行ってきます!」

要の腕を振り払い、瞬歩で消えたボクの後ろで盛大な溜め息が聞こえた気ぃしたけど気のせいやろ。

イヅルに会える!ボクはそれだけで十分や!


…霊圧的にはあっちやな。ま、イヅル程の力持っとったらあんな雑魚余裕やったやろ。
イヅルの霊圧が近い。もうすぐや…。わざと霊圧消して近づいとるボクは性格悪いなぁ、と苦笑する。
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