草書

□開眼大作戦
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「さて…今日の議題は、市丸ギンは一重か?二重か?について話し合いたいと思います。」

…10番隊隊舎の片隅で不穏な気配を漂わせる隊長を他所に、真面目な顔をして雛森くんが言った。



「…斬新だわ。くだらないけど、興味はそそられるわよね。」

「確かに…。俺はどっちでも興味はねえが、見てえ…開眼。」

松本さんと阿散井くんは早速気に入ったらしく二人でニヤニヤしている。

「ししし、死にませんか?あたし…。」

「問題ありません。…多分」

勇音とネムくんの不思議な組み合わせも乗り気のようだ…。

…しかし隊長の目ねぇ…。これだけ盛り上がってたら何回か開眼見た事あるよ、とはこの場では言えないなぁ…。

「乱菊さんなら見た事あるんじゃね〜すか?」

「あ〜あるけど一瞬。しかも確か悪巧みしてた時だから…あたしもはっきりと見てないのよねぇ…。」

いやぁ〜惜しい!と額を叩いて笑っている。


…見つめ合った事ありますよ。背筋が凍って足が震えました…。わざわざ見たいですか?そんなヤバい物を。

「吉良くんは?副隊長だし、実はあるんじゃない?」

雛森くんが振ってきた。…あるけど…皆『見たい』んだよね…僕には開眼させるきっかけは分かんないしなぁ…。

「う〜ん…何かの時には見たよ…。」

煮え切らない返事だったが全員が食いついてきた。

「あいつ目があるのか!?」

…日番谷隊長…失礼ですからその発言…。

「さっすが吉良!やっぱりあんたが開かせるしか無いわね!」

…え?え?罰ゲーム?これ?


「無理言わないで下さいよ!」

「いや、吉良…お前が適任だ。」

…何普通に参加してるんですか!日番谷隊長!

「吉良、やっぱお前スゲーよ!あの市丸隊長の開眼見て生きてるなんてな!」

隊長は化け物か!

「…でも怖かったよ…。」

「「「「大丈夫!」」」」

雛森くん、松本さん、阿散井くん、日番谷隊長が声を合わせて言う。

「頑張って下さい。」

…あああ、ネムくんまでそんな…。ちらっと勇音くんを見ると、尊敬の眼差しにぶつかってしまった…。

「ど、どうしろと?」

後に引けない気配をびしばし感じ、仕方なく聞く。


「…あいつ確か殺る前は開けて目標確認するわよね?」

「そうなんすか?…大量の干し柿とか見たら開きませんか?」

「いや、むしろ干し芋じゃねぇか?あいつ嫌いなんだろ?」

口々に恐ろしい会話が繰り広げられる。


…殺る?僕がやられるのか?

干し柿…?あんな物大量に目の前にあったら僕が先に倒れるよ!

…干し芋ならなんとか…。でもソレを大量に持って行ったら僕の身が危ない!絶対射殺される!

…なんでこんな事になったんだ…?


僕の苦悩を他所に話し合いは進み、最終結果が出たらしい。
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