草書

□純愛
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ゆるゆると、首を撫でて隊長は僕を見つめている。

僕も何故かそれが分かって、閉じた瞼が震える。

…どんなにこの人に触れて欲しかったか、鎖骨に移動した指先の感触にまた涙が零れた。

「泣き虫さん…」

優しい声音に堪らなくなって、触れたくて手を伸ばす。

しっかりと手を繋ぎ、横たえたられながら隊長の唇に身を任す。
…ちゅっと音を立てて鎖骨の少し下をキツく吸われた。

「んぁっ…」

痛い位の快感がキュンと吸われた所から拡がる。

彼に慣らされた体はもっと痛みを欲しがっている。

「一つ、咲いたなぁ…。もう、前に付けたの薄ぅなってるし…。」

寂しいわぁ、一生残ればいいのに…。言いながら左胸の心臓辺りも吸われた。

「あん…っ」

嫌な位甘い声。でも隊長が可愛いと言ってくれるから、声は抑えない。

それだけの刺激で立ち上がった乳首に丹念に舌を這わされるが、緩い感覚でもどかしい。

「噛んで、下さい…。」

言えば直ぐに歯を立てられる。

「あぁ…っ!いぃっ…。」

ヒクヒクと動く自分の下半身は隊長の服をもう汚しているだろう。

申し訳ない気持ちと、自分の後が残った様な妙に嬉しい気持ちが交差
「イヅルぅ…可愛ええよ…。」

繋いだままの指先を丁寧に舐められると、まるで自身を舐められているような感覚に陥ってしまう。

「あぁ…あっ…んっ…。」

「腰、揺れてるで…。」

クッと笑われ、隊長の空いた手が自身を包み込んだ。

「っ…くっ…。」

ドクリと先走りが溢れて隊長の手を汚す…そんな想像に尚煽られ、甘い声が口をつく。
「イヅルやなぁ…。毎晩こうしとったんに…。寂しかった…?」
懐かしいと、軽く上下されただけでイってしまいそうになる。
「あ、あ…ん…んっ」

指先をくわえられ、下半身を握りこまれ、もう少しでイキそうだと腰が浮く。

「まぁ、待ちぃ。」

すっと隊長の体が離れ、下半身に移動した。

「やぁっ…。」

いくらしてもこの時は恥ずかしい。マジマジと普段隠れてる部分を見られ、開かれるのは全てを暴かれるみたいでまだ慣れない。

「大丈夫や…痛いこと無いやろ?今まで酷い事されたか…?」

優しく言われて首を横に降る。最初から彼はこの体が行為に慣れるまでずっと快感だけを与えてくれていた。
『あらぁ、ボクらしゅうないかなぁ…』って笑いながら。
クチクチと音を立てて先端に口づけて、そっと後肛に触れられた。

「ヒクヒクしとぉ…。ボク以外触らせてないよなぁ…イヅル?」
先走りがそこまで垂れていたのだろう。ヌルッとした指先を感じて恥ずかしい。

「誰が…僕に、こんな事…するん、ですか…。」

「ん〜、69の副隊長さんとか…?」

そんな度胸無いか、と舐め上げながら喋るから…もう、訳が分からなくなって

「早く…」

とねだってしまう。

「あらあら、どっちぃ?くわえて欲しいん?入れて欲しいん?」
カリ首を優しく吸いながら指先を少し埋め込まれた。

「ああ…あっ…もう、ホント…ダメっ…」
緩い感覚じゃ物足りない。もっと苦しい位貴方を感じたいのに!
「ん〜セッカチさんやなぁ…。1回いこか?溜まってるやろ?」
ジュル…と吸われながら根本までくわえられ、ゾクリと鳥肌が立っ。

指先は優しく揉みほぐしながらも少しずつ侵入してきている。

「あっ…あっ…んっん…。」

隊長の髪を撫でて快感と愛しさとごちゃ混ぜの感情を教えたくて『好きです…』と囁く。

返事のように強く自身を吸い上げられ、指が根本まで埋め込まれた。

「っ、あああああっ…」
ビクビクと激しく腰が浮き、呆気なくイってしまった。

「ごちそさまでした。」

クスクス笑いながら見上げる隊長と目が合う。

「す、すみません。ふぁっ…」

謝ると中の指が動いた。

「謝らんでええやん、今からボクのもここで食べて貰うんやし…なぁ、イヅル」

その時の感触を思い出すと、イッたばかりの自分が少し硬度を増す。
「触って…。」
服を脱ぎながら隊長は自分のモノを僕の手に掴ませた。
ドクリと脈打つソレは、色の白い隊長とは似つかぬ黒さで…。

思わず、起き上がり口に含んでいた。

「あら…、珍しい。」

隊長はこの行為を僕にねだらないし、自分からしたい。なんて恥ずかしくて言えやしないから、酔ってヘベレケになった時にしかした事は無かった。
でも素面でくわえてみて、こんなに感じる物だとは思わなかった。

滲み出た汁ももちろんだが、舌の上に微弱に感じる血の流れが堪らなく心地よい。

「たぃ、ひょう…、しゅ、きぃ…」

いつもの仕返しにとくわえながら喋ると、色っぽい吐息が聞こえて感じてくれているのに興奮した。

「イヅル…まだ用意出来てへんのにそんなに煽って…。」

頭を優しく撫でられて嬉しくなる。
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