草書

□信哀
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今日はキツイ1日だった…。隊長もいなくなり、その穴を埋めるべく奔走する…。そんな毎日に、気が付けば1週間が経っていた。
「隊長ぉ…。」
皆の手前そんな嘆きは溢せないから、部屋でひっそりと呟く。
ホントに会いたくて仕方ない時は、気が付けば背後に気配を感じて安心したものだ。
…よくよく考えると、彼は自分の事を自分以上に理解してくれていたんだと思う。
職務中はいつもいないくせに、ふっと気を抜いた瞬間には隊長室に霊圧を感じていた。
なのに…。
「…嫌だなぁ。」
キツかった理由…分からないでは無いが、阿散井君の、抜けた各隊に新隊長を…という話があったのだ。副隊長同士気のおけない仲間での会話だから出た話題だが…松本さんもちょっと苦い顔をしていた。
「でもさぁ〜。嫌だよ。」
ハッキリ言って、市丸隊長以外の下で働く自分が全く想像つかない。

バリバリ職務こなす人だったりしたら、自分の存在意義を見失いそうだ。
…そうか。だから市丸隊長はあんなに自分に事務を…。
基本、魂葬にすら出れなかった。事務が多すぎて…。危険な事なんて僕には全く回って来なかった。

…全部『ボク、闘う方が性におうとる』って隊長が出ていってたから…。
あああ…。思い返せば全てが僕を護ってくれていた気がする。
「病んでるよ…。」
そんなにいい思い出ばかりだった訳じゃないのに…。思い出す隊長はいつも自分に優しかった。幻でもいいから『イヅル…。』ってあの独特のイントネーションで呼んで欲しい。

…唯一僕を名前で呼んでくれる愛しいあの人に…。




妄想爆発(笑)
 

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