happy birthday '08

□10月9日
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いつからか野球部の練習を見に来るようになった彼女。

いつも友達と一緒でクラスでもそんなに話したことない俺は気がついたら彼女を見てた。

「大地!休憩時間、終わるぞ!」

「はい!」

再び練習に戻り俺の部活が終わる頃には彼女とその友達はいない。

一体、誰を見に来てるんだろう?

着替えながら部室の中をグルッと見渡すけど、もちろん答えなんてわからない。

野球部とは限らないよな。

野球部以外も練習してるし。

でも、先輩たちを見に来てるんだったら俺、絶対、敵わないよ!

「だ、大地!?なに泣いてんだよ!?」

「だって、俺だったら絶対、俺より、俺より、イッチャン先輩を好きになるっす」

「大地、泣きながらわけわかんねえ告白勘弁してくれ」

「だって、俺、俺」

「だあっ!もう、わかったから泣くな」

俺は、いっぱい泣いて、泣いて気づいたんだ。

相手がイッチャン先輩でも他の先輩たちでも俺は譲りたくないんだって。

泣いてグチャグチャになった顔を洗って校門を出るといつもは帰ってしまってるはずの彼女が友達と一緒に立っていた。

ポンッと友達に背中を押されて彼女が俺の前に立って包みを差し出した。

「佐倉くん、誕生日おめでとう」

「あ、ありがとう」

突然のことに驚いてプレゼントを受け取るとずっと俯いてた彼女が真っ赤な顔を俺に向けて言った。

「ずっと佐倉くんのことが好きでした。よかったら付き合って下さい」

「はいっ」

あまりに嬉しくて、驚いてて俺の顔は再び涙でグチャグチャになった。

でも、さっきのとは違う嬉し泣きだからあともう少し泣かせて下さい。

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