SHORT
□B'cuz...
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彼は顔が一瞬青くなって、すぐに真っ赤になった。
「キキキキス?」
『うん』
あたしは素早く彼の口から葉巻をもぎ取り、テーブルに置いている灰皿で揉み消す。
「おまっ、ハレンチだ『パウリーはやっぱりあたしのこと嫌いなんだ』
困ってる困ってる。何だかかわいそうだけど、今まで散々あたしを悩ませた罰。ちょっとは苦しめ!
「…どうしてもか…?」
『…あたしたちやっぱりダメみた「だああぁぁぁ!わかったから!」
ニコリと(ニヤリと)笑って、ん、と目を閉じて顔を突き出す。
パウリーの表情は目を閉じてて見えないけど、気配で相当悩んでいるのがわかった。
「だっでっ…どっ…」
『…パウリーどもりすぎ…』
「…だってよ…」
『あと10秒以内にキスしなかったら別れる』
「なっ…」
『10……9……』
「おおい待て待て」
『6……5……』
「……くっそ、わかったすりゃあいいんだろ?!」
不意に両肩を掴まれた。反射的にパウリーから逃げるように身を引いてしまって、更に手に力が込められる。
「おいこら逃げんな、じっとしとけ」
『…積極的ー』
「…お前がやらせてるんだろが」
不意に肩に置かれていたパウリーの手が頭に添えられて、今更心臓がうるさくなってきた。顔が瞬時に熱くなる。それでも目を閉じてじっと待った。
パウリーの唇が触れる感触がした。
おでこに。
そっと目を開くと彼の真っ赤な顔。
『………パウリー』
「………何だよ」
『あれだけ期待させといて何でおでこ?』
「嫌マジ勘弁…」
パウリーはもう顔がこれ以上ない程に赤くなって、あたしが座っているソファーに倒れ込んだ。
それが何故か可愛く見えて。何故こんなチンピラみたいな格好してる奴のことかわいいと思うんだろ?
『……ねぇパウリー?』
「ああ?」
顔を上げたパウリーの顎にそっと手を添えて。
ちゅっ
呆然としている彼に抱き着いて。
『ダーイスキ!』
彼が耳まで真っ赤にして叫ぶのは十数秒後。
B'cuz you're mine!
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ここまで照れ屋は今の時代いないっすね…
夢見すぎた下手こいたー!
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