silver2

□ある日の坂田家2
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〜ピンポーン

「すみませ〜ん、銀時くんいますか〜??」


手土産を引っ提げ、屋根裏のねずみ退治の依頼に来た桂。
だが、家の主はいつまで経っても出てくる気配がない。
どうやら留守のようだが。
引戸に手をかけてみれば、鍵はかかってはいないようだ。


「まったく、無用心だな。」


そしてずかずかと勝手に上がり込み、居間のソファー脇に手土産を置き、台所でお茶を煎れて来て、テーブル上のお煎餅を貪り始める。
端から見れば不法侵入と窃盗罪が認められるだろうが、桂には通じない。


「ん??何だあれは??」


暇潰しにテレビでもつけようかと目を向けたとき、テレビの下におざなりに放置されたビデオテープが視界に入った。
青い袋からはみ出しているあたり、BUTAYAで借りたものだろう。


「ここは客間だろうに、だらしないな。」


それを手に取り、銀時の寝室にでも片付けようかとしたとき、桂の目に写った文字。




「銀時ぃぃいぃいっっ!!!!!!!!!」




「うぉ、何だよおめえ何勝手に上がり込んで発狂してやがんだよ??
新手の嫌がらせですかコノヤロー。」


「あ、桂さん、来てたんですか。ごめんなさい、僕たち今定春の散歩に行ってまして。」



「ヅラぁ、そんなに発狂するまでに寂しかったアルか??」


桂の異変にも何一つ動じず、むしろ受け流しの方向で対応していこうとしていくあたり、あのぐだぐだ漫画の主役を張るだけのことはある。
だが桂の方は違ったようだ。


「銀時!!!!!これは何だこれは!!!!!」


そう言って桂が突きだしたもの。


「いや…え…何って、そのまんま…」


「アダルトビデオではないかぁぁあぁあ!!!!!!!!」


そんな単語を真っ昼間からでかでかと言うなと、万事屋三人は思った。


「貴様、この家にはリーダーも住んでいる上、未成年の新八君も出入りしているだろう!!!!!!!
こんな刺激的なモノを堂々と居間なんぞに放置しておくでない!!!!!!このニブチンが!!!!!!!」


「いや、あんたは更にそれを堂々と僕らに見せつけてますから。巨乳ナースお雪の淫乱看護ダイアリーって、タイトル丸見えですから。」

「ヅラぁ、本格的にアタマ沸いたアルな。」


「しかもこのビデオ、3日も延滞しているではないか!!!!!!」


「げ、まじで!?
ちくしょー、期限ギリギリの翌朝10時に返そうと思ってたのによー。」


「借りたものは返す!!!!!!
これは世の中の常識だろう!!!!!!!
お前が3日延滞したおかげで、これを待っている人間は3日の我慢をさせられたのだぞ!!!!!!!!
毎夜毎夜夢の中で、お雪ちゃんお雪ちゃんと会えない悲しみと苦しみと戦っていたのだぞ!!!!!!!」


「少なくともヅラは、そうやって待ってるアルな。」


「しかも延滞金は1日200円だから、3日で600円だぞ!!!!!!
そんだけあったら、一体どれだけの酢昆布をリーダーに恵んでやれたと思う!!!????」


「うわぁ、銀ちゃん酷いアル〜!!薄汚い性の欲望に勝てずにいる人間なんて最低アル〜!!不潔〜!!!」


「大人になるってーのは、そーゆーモンなの。な、新八。お前ももう分かるだろ??」

「なっ、ぼっ、ぼくはまだ、そんな毎夜毎夜ムラムラとした気持ちに駆られてxxxでxxxxxxな夢なんて見て、朝起きたらxxxしてたなんてことないですよー!!!!!!!」


「いや〜新八も不潔アル〜!!!」



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