短編
□三つの贈り物
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「──…で結局、御伽噺だった訳か」
ったく、人騒がせな奴だ
会議中に幹部の奴等が騒ぐもんだから、何事かと思えば…
会議が終わると共に居なくなった平助が、疑問の全てをあいつに訊きただしたのか
広間に戻って来てまた〈くりすます〉とか言う話をし始めた
「だけどあいつ、信じてるみたいなんだよ」
「信じてるって…御伽噺なんだろ?」
驚きに声をあげる原田
「そうなんだけどさ…可哀想になって、絶対居るとか言って来ちゃったんだよ、俺」
「無責任だよね、平助って」
今回ばかりは総司の言う通りだな
「本当は居ないと知ったら、それこそ傷付くのはあいつだろう」
「わかってるよ、だから皆にどうしたらいいか訊いてるんじゃん!」
斎藤にも言われて縮こまる平助に、俺は盛大に溜め息を吐いた
「本物が居ねぇなら、誰かが〈さんた〉になればいいじゃねぇか」
呆れた様にそう言えば
「そっか!じゃあ皆で〈さんた〉やろう!!きっとあいつ、喜ぶぜ!!」
何で気付かなかったんだとばかりに平助は顔を輝かせた
……今、皆って言ったか?
「…俺も入ってんのか」
小さくそう囁けば
「言い出しっぺでしょ?当たり前じゃないですか」
わざとらしく笑いやがる、総司
俺はまた溜め息を吐きながらも平助の言葉を思い返して
仕方ねぇと、腹を括った
〈あいつが喜ぶ〉
なんて言われたら、な