本@

□悪戯
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ウ〜ン。
可愛いんだけどね。
如何しよう、この状態。

さっきからハナは、私の背中に張り付いて肩越しにテレビを見ている。
悪戯心で、ハナを怖がらせようと見ていたホラー映画にハナは釘付け、それに、すご〜く怖がり。

「ハナ〜 そんなに怖いなら見るのやめようね。テレビ消そう。」
優しく云っても

「だめです〜。最後まで見ないと余計怖いから、タカコさん消さないでください。」
「うん。わかった。わかったから、ネー 私の背中から離れない?」
「いや〜 怖いんですもの。タカコさん離れちゃダメです。」

ハナはそう云うと又、しっかりと背中に張り付いた。
ハナの胸の膨らみがやけに気にかかる。

私はさっきから手持ち無沙汰。
愛しい恋人は背中に張り付いて目だけでテレビを見てる。
怖い場面になると背中に隠れ、また、ソット覗いてみる。
その繰り返し。

私は休日ぐらいハナと思う存分イチャイチャしたい!

「背中にいないで前においで。怖いなら抱いていてあげるから」
甘い声で言っても…
「前に行くのは、怖いからいやです。 ここがいいの。」
これじゃぁハナの顔も見れないし、ウ〜 つまらない。
好きでもない映画見るんじゃなかった。

『早く終われ!』
そう思っても終わるわけでもないし… 

欲求不満だな〜

「ハナ 終わったね。…あれっ どうしたの?随分お疲れみたいだけど。」
ハナは面白いぐらいぐったりしている。
チョイチョイと頬を突っつくと、見上げる瞳は、ウ〜ン すごく可愛い。

「タカコさん 幽霊っていませんよね?」真顔で尋ねる。
「えー あたりまえだよ。いないよ。」
「そうですよね。」
安心したように微笑むハナに、また悪戯心がムクムクとわいてきた。

「力入って観ていたから喉が渇いたでしょう?飲み物取ってくるね。」
「あっ 私がします。」立ち上がろうとするハナを止め
「いいよ いいよ。私がやるから、ハナは休んでな」
とご機嫌でキッチンにいく。
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