本@

□夢
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「おかしな子。寂しくなったらこっちにおいで。」
タカコさんは、笑って台本を広げ読み始めた。
隣の部屋で私も台本を広げたが、はじめから読むつもりはなかった。

今日はタカコさんの事を見ていようと決めていたから。

タカコさんを見つめている。
ただそれだけの事なのに、心が喜びでふるえる。
幸せすぎておもわず微笑がこぼれる。

タカコさんの一つ一つの仕草が愛しい。
前髪をかきあげる癖。
遠くを見るような目をしている時は考え事をしているサイン。
疲れたのかな?長い足を組んでいる。

長い事こんな風にタカコさんを見つめていたいと、どんなに強く望んだか。
その望みが、今かなってる奇跡。夢見たい。頬っぺたを抓ってみたくなる。

でも夢なら覚めないでほしい。…永遠に見ていたい夢だから。

台本に涙の雫が落ちた。 
バカみたい。 
幸せなんだから泣く必要なんかないのに…

又、涙の跡がふえた。
コラッ!ハナ、タカコさんの邪魔したらダメ。

涙よとまれ!
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