サクラ大戦妄想官能小説

□一緒にお風呂に入りましょう
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深夜の大帝国劇場。
茹だるような暑さのなか大神はようやく夜の見回りを終えた。
8月も半ばを過ぎたとゆうのにこの暑さ。
劇場内を見回っただけで大神は汗だくになってしまった。
汗でシャツが肌にへばりつく。
「風呂に入って汗を流すか」
この不快な汗を大神は一刻も早く洗い流したかった。
この時刻なら花組のみんなも入浴を終えている。風呂場でかち合うこともないだろう。
大神が気兼ねなく風呂に入れるのは、花組の入浴が終わった深夜がほとんどである。
特に芝居の稽古期間中は遅くなる。
今日も夜の芝居稽古が押したため花組の入浴が遅くなってしまった。
必然的に大神の夜の見回り、入浴ともに深夜にズレ込むことになる。
「まさかな、みんなが稽古してるのに一人先に風呂に入るわけにもいかないし…はあ〜っ」
地下に降りる階段の前で大神は愚痴をこぼし、ため息をついた
「なにブツブツ言ってんだよ、隊長」
かけられた声に驚き、慌てて振り返った大神の顔がパァーっと笑顔になった。

「カンナ!?」
桐島カンナ
赤毛を鉢巻きでまとめた彼女は、身長197センチ抜群のプロポーションを誇る花組男役のスターである。
その豪快な性格と明るい笑顔は周りを幸せにする。
花組のムードメーカーでもあり、大神一郎の恋人でもある。
「真夜中にこんなとこで独り言なんか言ってさ、大丈夫か隊長?」
カンナが大神の顔を覗き込んだ。
「あっ、いや別にちょっと考え事してただけだよ」

大神はバツが悪そうに鼻の頭を掻いた。
「それよりさ、カンナこそどおしたんだい?こんな夜遅く」
大神がカンナに問いかけた。

「エッ、アタイ?アタイは…あれだ、暑くてさ眠れなかったからさ」
今思いついたのか考えたのか、言えるのはそれが本当の理由ではないことはたしかなようだ。
「…そしたらさ隊長が夜の見回りしてるの思い出して、まあ散歩がてら話でもしょうと思ってさ」
そっぽを向きながらチラチラ大神を見るカンナ。相変わらず嘘が下手で、思っていることがすぐに顔や態度に出てしまう。要は大神に会いたかっただけなのだ。
大神はそんなカンナが可愛らしくてしかたなかった。

「ふーん、てっきり俺に会いに来てくれたのかと思ったんだけど」
図星を突かれたカンナは
「バ、バカ違うよ、アタイは本当に暑かったからさ、別に隊長に会いたいとかさ…自惚れてんじゃないの隊長…」
必死なって弁解するカンナが可愛らしい。
満面に笑みを浮かべながらカンナの話を大神は聞いていた。
「もーっ、なにさ!」
なんだか大神に全部見透かされてる気がして、カンナは少し膨れてみせた。

大神はそんなカンナの腰に手を回すとキツく抱き寄せた。
「あっ」
カンナは小さく驚きの声を漏らした。
大神はカンナを抱き寄せたまま少し背伸びをした。

「もうーっ」
この小さな不満げな声にはカンナの(アタイは本当に暑くて眠れなかったんだから)とゆう自己主張が込められていた。
そう言いながらも、カンナは頬を赤らめると目をつぶり、ゆっくりと顔を下げた。
「うんっん」
大神のキスに唇の端からカンナの吐息がもれた。「もうっ、ダメだってこんなとこでさ」
しばらくキスの余韻を楽しんだ後、カンナは周りが気になるのか大神にそう洩らした。
つづく
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