獄ツナ小説(BL・15禁)
□わりかん
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「ここのところ、獄寺と会ってないのなー。」
そう山本がつぶやいた。
「うん」
ポテチをつまみながら、ぼんやりとTVを見、ツナはそう答えた。
山本と獄寺とツナが一緒に暮らすようになってから、3か月ほどになる。
ツナは地元の大学に通っている。
大学に通うにあたり、一人暮らしが必要になった。
実家から通うのでは無理な距離だったのだ。
往復で6時間はさすがにありえない。
母親である奈々はツナのことを心配した。最後のギリギリまで賛成ではなかった。
山本は、隣の県の有名な体育大学に入学した。
もちろん推薦である。
山本の父は、今年の1月に知人に呼ばれ外国の飲食店で店長をやることになった。
日本の味を広めたい、そう思ったらしく寿司を握っている。
海を越えた遠くの地で。
当然、一人息子の山本は日本で一人暮らしをすることになった。
だが一人暮らしだと色々と支障が出る。
そこで、山本はツナに一緒に暮らさないかと話を持ちかけてきた。
大学に通うにあたって便利で過ごしやすい街でマンションを借りて。
獄寺は、もともと一人暮らしだった。
山本の話を聞いて、顔色をかえ、俺も一緒に暮らしたいです沢田さんと言ってきた。
ツナも山本も二つ返事でOKした。
単純に、家賃が3ぶんの一になって安くなればいいや、そんな風に思っていたのである。
そして、何軒かマンションを見に行き、古くも新しくないが駅近の物件(値段は妥当で中は結構綺麗だった)を探し出し契約した。
奈々は反対していたが、山本の父からの説得で最後は承諾した。
つづく