獄ツナ小説(BL・15禁)

□シロ・クロ
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獄寺くんを見ると、赤い顔で俯いてる。
「あの……、お…、む」(あのー、おれ、やっぱ無理かな、これ。ごめんね)
と言った時、彼がこう遮った。
「何故ですかぁあああ、十代目!!無理ですか?お願いです、お願いですっ。
着るだけでいいですからーーー!」
と、すがられた。
「お願いです。今日、俺誕生日なんスよ?!他に何か望んだりしませんからー!」


そのまま、1時間弱「着てください」「無理」の押し問答があった。
勝負がついた。
俺が折れたのだ。
というか、彼に関しては思うことがあって、もちろん、恋人だし大好きだし、願うことは叶えてあげたいと思うけど、それだけじゃない。
彼は幼い時、母親を亡くしてるし、どっちかっていうと家族にもあまり恵まれていない(というとビアンキは怒りそうだけど)し、遠い国から一人でやってきてるのだから、せめて俺が心の支えになってあげたい、というか。
誕生日だし。
まぁ、そんな思いもあってメイド服を着ることにしたのだった。

「絶対後ろ向かないでね!」
と念押しをして、服を着替える。
どうなってるんだ、この服は。
女の子の服なんて着たことないから、さっぱりわかんねー。(当たり前だ)
とりあえず、ワンピースの上に白いエプロンを着るようになってるみたいだった。
ご丁寧にカチューシャと靴下まで付いている。
着てみる。うん、短い。
何が短いってスカート丈だ。これ、並森の女子のスカートよりも短いんじゃないか??
足が寒い。
イヤだけど、靴下も履いて、カチューシャも付ける。
靴下が膝より上まである。
そういえば、こういう靴下をハルが履いてたっけ?今流行ってるんですーとか言って。
う…、うん、ウェイター(ウェイトレス?)になったんだと思えば大丈夫。
昔、ケーキ屋でバイトしたことあるし。

「着替え終わったよ。」

(続く)
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