ベルマモSS(女体化・15禁)

□美容師さんと泥棒
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意外なことに、彼は仕事が出来るようで、驚くほどカットが早かった。
手首から先が見えない。
ハサミの音というよりは、シャッシャッという音がするばかりで、どんどんカットされた毛が床の落ちていく。
それよりも、マーモンは、口もよく動くのに手もよく動くなぁとある意味感心していた。

そして、
「すっごい綺麗な髪だね…」
と、言われた。
「はぁ……。カラーリングしていないですから。髪質は健康かも。」
と答えておいた。
確かにマーモンの髪は、カラーやパーマをしていない分、痛みが少なかった。
彼は、うっとりしたまま、うなじと髪の生え際をそっと撫で、

「王子、髪綺麗な女の子ダイスキ。こんなに綺麗だと俺………だよ。」

と、つぶやいた。
マーモンは息を飲んだ。
よく聞こえなかったが、なんだか嫌な感じのする言葉を言われたような気がする。
それも、少し卑猥な言葉。
(ム。気のせい……だよね)

しかし、それは気のせいではなかった。
「最高だね。…が…になりそ。まぁ、とっくに…は…だけど??うしし」
驚愕し、固まるマーモンに鏡を差し出し、「後ろはこんな感じ。どお?大丈夫?」と聞いてくる。
いきなり、営業モードだ。わけがわからない。
が、重たかった髪はすっきりとしており、良い感じにまとまっていた。
声が出せず、こくこくと頷く。
それでサービスは終わってしまい、レジまで案内された。

ぼんやりとしたまま、店を出てふらふらと街を歩く。
うなじのゾワゾワした感触は、まだ残っていた。


・END・
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