獄ツナ小説(BL・15禁)

□秋の落ち葉の香り
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 カサカサと、乾いた音がする。
落ち葉を踏みしめる音だ。

獄寺くんと、付き合って半年になる。
いや、正しくは5か月と28日かなぁ。
半年前のあの日、映画に行った帰り、急に手をつないできて、暗い公園でキスをくれた。
はじめてのことでパニックになり、ほとんど覚えてない!
ただ、タバコの味がして苦かったのだけ覚えてる。
京子ちゃんの顔が一瞬だけ浮かんで消えた。シャボン玉みたいに。

彼は腹の底の底から搾り出すような声で(正直怖かった)、「愛しています、俺と付き合ってください」と言ってきた。
彼の手は震えていた。
俺は迫力に負けて「うん」と言ってしまった。
何故なんだ。
即答だった・・・。

それから、1か月がたち、2か月がたち、順調に?過ごしている。
デートしたり、皆と遊んだり、色々だ。
デートと言っても、俺が行きたい、と言ったところに行くだけ。
新作のゲーム買いに行くとか、CD買いに行くとか。限定ハンバーガー食べに行くとか。
楽しいのに、ちょっとつまらない。
たまには、彼の「行きたいところ」に行きたいのに、「いえ、俺の行きたいところはありません。十代目の行くところに、お供したいです」と言ってくる。
予想はしてたけど。

エッチなことはひとつもない。
付き合って、半年たつのに。キスしかない。
俺って、魅力ないんだろうか・・・。
正直、凹む。
そんなん、最初からわかってる。
俺ってダメツ

あ、リボーンが帰ってきた。この日記は机のかぎつきコーナーになおさないと。
今日は、もう寝よう。

つづく

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