獄ツナ小説(女体化・15禁)

□新弾
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「もうこういうの、辞めようよ」
ツナは、行為が終わったあと、シーツを手繰り寄せて身体を隠し、こう言った。

その言葉は、自分が思っているよりずっとずっと重いものだった。
彼は何故ですか、俺では役不足ですかと言って激昂した。
何度も何度も説得された。
でも、自分にはもう無理だった。
弱い心は限界に来ていた。

ふたりが「そういった」関係になって2か月ほどたつ。
獄寺はツナの部屋で一緒にDVDを見ていた。
人気のあった映画で、恋愛もの。
普段なら、獄寺なら絶対選ばないような作品。
ツナは、素直に感動して見ていた。
最後は涙を浮かべていた。
映画に集中するふりをしていたが、こっそり隣のあるじの顔を見つめていた。
愛おしいと思った。
その存在、その高潔な魂、すがた形全てが。
同時に心の奥底からあたたかい、春の光のような湯が自分から溢れ出すのを感じ、
自分の中にそのような感情があることに驚愕した。
エンドロールが流れ、ツナがこちらを向いた。
やはり、目の端が涙で濡れている。
自分の手の甲にツナの手がすこし、触れていた。
その瞬間、かっとなってキスをしてしまった。
ツナの目は驚きで見開かれたが、抵抗は何もしなかった。
そのまま、押し倒してしまったが、ツナはやはり何も抵抗しなかった。(少しびくりと震えただけだった。)
獄寺は、自分の主(ツナのことだ)の甘い肉体をすみずみまで味わった。

そうして、その日から二人は人目を盗んでこっそりと身体を重ねた。
学校帰りに公園でキスをしたこともあった。
獄寺は、何度も好きです愛してますと言ったが、ツナは何も言わず……
ただ、俯きがちに小さく頷くだけだった。

つづく
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