ベルマモSS(女体化・15禁)

□美容師さんと泥棒
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「そうだ、今日は髪を切りに行こう」
ある晴れた日の午後、マーモンはそう思い立って美容院に出かけた。
元の髪の量が多いので、いい加減もっさりとした感じになってきていたのである。

が。いつも行っている美容院は休みだった。
店主都合により、と貼紙に書いてある。
(つぶれたのかな…)
(夜逃げか?)

仕方が無いので、駅前まで足を伸ばしてみる。
確か何軒か美容院があったはずだ。

駅前まで行くと、やはり狙い通り美容院が何軒かあった。
値段を見て、カットの値段が一番安い店にする。


店に入り、受付をすませてシャンプーしてもらい、大きな鏡のある席に移動すると、一人の美容師がやってきた。
金髪で長い前髪をしている。
へらへらとマーモンに笑いかけ、名刺を差し出すと、俺、王子と名乗った。
(ちょっとアレな人なのかな…)
マーモンはそんな失礼なことを思った。
よく見たら、頭にティアラが乗っていた。
店の照明に照らされ、きらきらと光っている。
(うっわ、高そう…)
高級店でしか扱われていないような、まばゆい宝石が沢山散りばめられている。

そのまま、その美容師はハサミを動かしながら、色々しゃべりかけてくる。
何処に住んでんの?彼氏いんの?学生?仕事してんの?
適当にごまかしながら、嘘も混ぜながら適当に答える。
よく知らない人間に、自分のことをあれこれ話すのは好きではなかった。
第一、本当の職業を言えるはずもない。


つづく
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