獄ツナ小説(BL・15禁)

□わりかん
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獄寺は、学生ではなかった。
働いていた。
職種は、酒を飲んで女性を相手にする仕事。
平たく言うとホストである。
当然、昼間のうちに睡眠をとり、夕方くらいに起きて職場に出勤していく。
それで、一緒に住んでいるツナや山本ともあまり会わないのだった。


しかし。
ツナは最近考えていた。
(もうずっと…会ってないよね。変なの。)
前にちゃんと会ったのは、そう…3週間前。
このリビングで山本と3人で作った焼きそばを食べて。
その次は、もうずっとずっと玄関や冷蔵庫の前ですれ違うだけだし。
生活じたいは、問題はなかった。
生活の当番(ゴミ捨てやリビングの掃除)はちゃんとやっているし、キッチンを使ったあとだってピカピカに磨いてあって綺麗だ。
でも、せっかく一緒に住んでるのだから、ちょっとは話がしたい。
大学の生活に慣れてきたころだったが、やはり昔からの友人と話すのは心がほぐれるのだ。

それから。彼は仕事が休みの日でも、外に出て行ってしまう。
疲れているような感じなのに。
何処行くの?と聞いても、ちょっと、とかコンビニ行ってきます、とか行ってはぐらかされてしまう。
ちょっとコンビニで7時間はないだろう。
そんなだから、休みの日でもそんなに顔を合わせることはなかった。
(彼女とかいるのかな)
ぼんやりと、ツナはそんなことを考えた。
(中学の頃から、モテたもんなぁ。他校の女の子が見に来るくらい。)


つづく
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