獄ツナ小説(BL・15禁)

□「碧」 男娼パラレル 15禁
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食前酒が運ばれてきた。
トプトプとグラスに注がれる。
「あ」
俺は大事なことを思い出した。
「俺、あなたの名前…まだ知りません。」
「俺は、獄寺隼人っていいます。」
「ごくでらさん」
名前も聞いてなかったなんて。と思った。
馬鹿だ。

二人で、乾杯して食事をはじめた。
シーフードのオードブル、新鮮な野菜のサラダ、魚のアクアパッツア、パスタ、デザートの
苺のケーキ。
どれも驚くほど美味しかった。
そして、どれも彩りが美しく、
サラダひとつにしても、盛り付けに工夫があった。
考えてみたら、こんな風に誰かとちゃんとした食事をしたことは久しぶりだった。
実家を出て暮らしてからは、特に。
俺が、素直に美味しいですと感想を告げると、彼は凄く喜んでくれた。


食事が終わった。
まだ、デートの時間に少し余裕がある。
とりあえず、二人で店を出る。
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