獄ツナ小説(BL・15禁)

□「碧」 男娼パラレル 15禁
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彼と会う日は、あっと言う間にやってきた。
残念なことに、彼と何処で会ったのか、必死に思い出そうとしたが、思い出せなかった。

彼の指定したホテルに着く。今日もロングコースだ。
ドアを開けた途端、彼に抱きしめられた。
俺は苦笑する。
今日はセックスするんだろうと、思った。
二人でベッドに腰掛ける。
彼は、そのまま、ぱたーんと後ろに倒れ、寝てしまった。
俺は腹が立った。
俺は一緒いると、寝てしまうくらい詰まらない男娼ですか?と。
この仕事を好きでやっているわけじゃなかったが、時間内たくさんサービスして
少しでも悦んで貰うのが「俺の仕事」なのに。
せめて、お金で買われたのならそれなりの仕事をしたかった。

彼の顔を見る。
少しくまが出来ていた。
…疲れてるのかな。
それにしても…綺麗な顔だな。
実をいうと、俺はゲイじゃなかった。
街でリボーンに声をかけられて、この仕事をはじめたのだ。
この仕事だと、週2回程働けば、生活できるほどのお金が手に入る。
勿論、嫌な客もいたし、嫌なプレイをする客もいて、心底疲れたが、他の仕事をして
あくせく働く気にはなれなかった。
ある意味、ぐうたらな俺にはぴったりだった。
本当に俺は根がぐうたらだった。

それから、俺は彼を少し揺り動かしたり、話かけたりしたが、彼は起きなかった。
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