獄ツナ小説(BL・15禁)
□「碧」 男娼パラレル 15禁
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純粋に驚いた。
本当に会った記憶がない。
俺は学生時代は友人が少なかったし、18歳からはフリーターだったりこの仕事をしたりして
3年間過ごしてきた。
働いてからの知人も、バイトの同じ時間帯の人やリボーンくらいのものである。
第一、こんな目を引く容姿の人なら、覚えているだろう。
「すいません…。思い出せなくて…。」
「いえ、いいんです。今日は会えて嬉しかったですから。」
彼は優しかった。
それから、色んな話をした。
彼は飲食店のオーナーをしているらしい。カフェ2軒とレストラン一軒。
カフェは女性に人気がある店なこと。
雑誌の取材が今度くるかもしれないこと。
そして、俺と同じ21歳であることに吃驚した。
……凄いな、同い年でこんな成功している人もいるんだ。
あっという間に3時間が過ぎてしまった。
少し名残惜しい。
彼は、また絶対指名しますと言って、俺にキスをした。
触れるだけのキスだった。
俺がハグすると、彼の体は少し震えていた。
外に出ると、嵐はおさまっていた。
雨のあとの、アスファルトの匂いがする。
リボーンのいる事務所に帰ると、「今日の客はどうだったんだ?」とリボーンが口の端だけで
笑いながら聞いてきた。
勿論、セックスのことを聞いているのだ。
セクハラ!今日は話しかしなかったよ、変わった客、と言うと
「今時珍しいやつだな。でも、指名してくれるやつは本当大事にしろよ。」
と返してきた。
そして、おまえ昔の花魁みたいだなと言われた。