RYUGA
□序章
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僕は今、妹の部屋にいる。
僕の隣にあるベッドに深く沈み込んだ妹は異常な低体温に、意識も戻らず時折起こす"引き付け"は最早"悪魔付き"か、でなければ"呪い"か"祟り"だ。
医者も遂に匙を投げる始末、ともすれば妹曰わく"心友"の"高尚な妖怪"を訝しんだとて僕に罪は無い。
眠り姫の如く眠り続ける妹を横目に、僕は窓の外に視線を移した。
鉛空、遠くには海が見える。
暗い空に暗い海、僕は深く吸い込んだ陰気を憂鬱と共に吐き出した。
と、すぐさま吐き出した"ソレ"を飲み込んでしまった。
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