今日からマ王!

□○○と化学反応
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窓辺に頬杖をついて、コンラッドを眺めるユーリは、先ほどギュンターが置いていったトッカスマという果物を口に頬張る。

見た目はグロテスクな色合いだが、その果肉は甘過ぎず酸っぱすぎない味で…ユーリの口を潤していた。



「コンラッドってば格好いいなぁ…///。」


剣を構えるコンラッドの姿に惚れ惚(ぼ)れするユーリの視線に気づいたのか、コンラッドがユーリの部屋を見上げる。


ユーリが、「頑張って。」と、口を動かし小さく手を振ると、コンラッドは口元に笑みを浮かべ、兵士達に気づかれないように頷いた。




「へへっ…///。」

ユーリが頬を染めて可愛く照れ笑いすると、



コンコン。


「ユーリっ。僕だ、入るぞ。」

ユーリが返事をする間もなく、ヴォルフラムが入ってきた。


「…ヴォルフラム。どうしたんだ?今日は、ツェリ様が自由恋愛旅行から久しぶり戻ってるって聞いてたけど…そっちに行ってたんじゃないのかよ…。」

「その母上から、ユーリにコレを届けるようにと預かって来たんだ。」

そう言って小さな包みを差し出した。


………今日は、いろいろ貰える日だ。


ユーリは、そんなことを思いながら包みを受け取った。


「…ありがとな。つか…なに?」

「パンだそうだ。食べてみたが…お世辞にも美味いとは言えない。」


…マズいのか。


「…そーなんだ。でも、せっかくツェリ様にもらったんだし…ありがたくいただくよ。」



「…無理することないからな。」


…そんなにマズいの?


「…うん。わかった。」

気の毒そうな顔をして、ヴォルフラムはツェリ様の所へ戻っていった。




マズいから…と言われると、どんだけマズいのかと興味が湧くのは人間の性(さが)なのか…


ユーリは包みを開けると、小さくちぎったパンを恐る恐る味見する。


「…なんだ。思ったほどマズくないじゃん。」



決して美味いとは言い難いが、想像していたものよりマシだったのだ。






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