今日からマ王!

□○○と青翠の奇跡
2ページ/10ページ





大賢者様によると、あの魔石は2人で触ってしまうと中身が入れ替わるという…厄介なものらしい。


「…む…村田。なんとか元に戻す方法はないのかよ。」

コンラッドの姿をしたユーリが、困った表情で尋ねると、


「大丈夫、そのうち元に戻るから。…ただね、時期が区々(まちまち)だから、なるべく一緒にいた方がいいとは思うけど。」


村田は、肩をすくめて笑う。



「なんということでしょう。王と臣下の中身が入れ替わる等、前代未聞です。」

王佐ギュンターは頭を抱える。


「しかし、こうなってしまったからには、元に戻るのを待つしかあるまい…。」


グウェンダルは、殊(こと)の外(ほか)冷静である。


「ユーリっ!よりによって、なぜコンラートなんだ。入れ替わるなら、婚約者の僕でも良かったはずだっ!」


「そんな無茶な…。」

噛みつかそう勢いのヴォルフラムに、ユーリの姿をしたコンラッドがユーリを後ろに庇うようにして苦笑いする。



「ヴォルフラム、陛下が困っているよ。」


「ユーリの姿をして、それを言うなーっ!」

地団駄(じだんだ)を踏み悔しがるヴォルフラムに…

グウェンダルは、はぁ…と溜め息をつくと、

「とにかくっ!混乱を避けるために城内の者たちに気づかれないようにしろ。極力、陛下とコンラートは元に戻るまで部屋から出るんじゃないぞ。いいな?」



「ああ、…わかった。」
コンラッドが返事をする。



「…まぁ…2人でいる分には、大きなストレスはないだろうし…何より警護しやすいよね。そうだろ、ヨザック?。」


村田は、ヨザックに笑みを向ける。


「そうですね。それに坊ちゃんの傍に隊長がいますから、俺の出番は殆どないと思いますけど?」


「ふふっ。それもそうだね。」


「いいえ、猊下っ、僕が2人の傍にいますっ!」

警護に立候補したヴォルフラムだったが、


「お前には、コンラートの代わりに仕事をしてもらう。」


グウェンダルにアッサリ却下されてしまったのだった。



次へ
前へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ