今日からマ王!
□〇〇とお家騒動
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「とても極端な姉妹ですね。」
…なんだか今日は、後ろから声をかけられる日だな…。
…でも、この声の主は特別だ…。
ゆっくり振り返ると、そこには会いたくて仕方がなかったコンラッドの姿があった。
「……なんだよ…コンラッド。いつから、そこにいたんだよ?。」
「最初からですよ。待ちきれなくて迎えに来てみたら、愛の告白を受ける現場に出交(でく)わしてしまいました。」
「…じゃあ、声くらいかけてよ。」
「くすっ。すみません。…声をかけそびれてしまいました。」
シャツにジーンズというラフな格好のコンラッドは、そう言って小さく肩をすくめた。
有利は、コンラッドの姿をまじまじと眺め、
「…軍服着てるコンラッドもカッコいいけど、私服も似合ってる…///。」
「ふふっ。ありがとうございます。」
控えめに微笑むコンラッドだったが、爽やかで品のある笑顔はしだいに周囲の女性の視線をあつめ始めた。
「コ…コンラッド。行こっ!」
有利は、コンラッドの腕を掴むと足早に学校から離れた。
「陛下!?どうしたんですか?」
「コンラッドは目立つのっ。オレ…気が気じゃないよ。」
ひと気の少ない公園のベンチの前で、息を整える有利は、
「…それから…陛下って呼ぶなよ。名付け親っ!」
そう言ってベンチに腰掛けた。
有利の隣に腰を下ろし…肩を引き寄せたコンラッドは、
「…ユーリ。あなたに会いたかった。」
耳元で低く甘い声音で囁いた。
「…オレもだよ。」
有利が嬉しそうに笑って肩に凭(もた)れると、「愛しています」と…コンラッドは愛しい恋人の頬に口づけた。
……いけね…忘れてた。
「コンラッド、ここ地球っ…///。」
「わかってますよ。本当は、ここにしたいんですが…そうなるとユーリが、もっと欲しくなってしまう…。」
コンラッドの指は、有利の唇をなぞり…漆黒の瞳を見つめる。
………うわっ。そんな目でオレを見るなぁーっ!
「…とっ…とりあえず…家に帰ろっ…///。」
落ち着きなく有利は立ち上がった。
家についた有利は、母親の美子がいるであろう台所に足を踏み入れると姿はなく、
かわりにテーブルに書き置きがあった。
「なんだ…これ?」
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