今日からマ王!

□〇〇のお仕事
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「ちょっ…コンラッド。オレ、まだバイト中だから…。」


有利は肩におかれた手を振りほどき、キョロキョロと目立たない席を探した。


「…あっ!あそこっ、あそこの席に行こう。」


コンラッドの腕をむんずと掴んだ有利は、人目につかないテーブルを見つけて案内した。


『…陛下。』

『陛下って呼ぶなよ、名付け親!んでもって、ここは地球!陛下って呼ぶの禁止っ!』

小さな声でコンラッドに怒鳴った。

「…それから、もう少しで休憩だから…待ってて。」

「くすっ。わかりました。ここで待っています」


コンラッドの瞳は、優しく有利に微笑んだ。









…しばらくして、休憩時間になった有利がコンラッドの待つテーブルに行くと、コンラッドの隣に女の人が腰かけて何やら楽しそうだった。




…げっ。さっきのお姉さんっ!

「…っ。コンラッド!」

「…ユーリ。休憩ですか?」


『なに鼻の下のばしてんだよっ!』

こっちは、会いたいの我慢してたってのにっ!


『…いえ…そんなことは……っ。』


「あらあら。ケンカ〜?」

嘲笑めいた表情を向けられた有利は、


「……そんなんじゃないです。」

有利は、感情を隠すように俯き踵を返すと小走りに店を出た。

『陛下っ、待って!』


コンラッドも後を追うように店を出たが…人が多く有利を見失ってしまった。






なんだよっ!オレがいんのに、デレデレしちゃってさっ!

客の前では、何とか隠していたが、店を出てしまえば感情を抑える必要もなく…すっかり頭に血が上っていた有利は当てもなくズンズン歩いていた。

…でも

きっとコンラッドは追いかけて来てくれるだろう…と、後ろを振り返った有利だったが…


「…来るわけないか。」

小さく肩を落とし…近くのベンチに腰かけた。


「はぁ…。バカだな…オレ。」


溜め息をつくたび、頭が冷えて来る有利だった。



コンラッドの話…ちゃんと聞けば良かったな…。




「ユーリっ!」


コンラッドが呼ぶ声に弾かれるように顔を上げると、慌てて走ってくるコンラッドの姿があった。


「……コンラッド。」


「ユーリ…すみませんでした。誤解されるようなことになってしまって…。」





コンラッドは膝をついて下から覗き込むように有利を見ると…

「…オレこそ………ごめん。」


しょんぼりと俯き加減のユーリの頬に手をかけたコンラッドは、うっかりキスをしそうになる。


『…ユーリ。あなたにキスを…。』

………コンラッド。


『…って、ダメ……///!ここは地球!日本!ジャパン!』




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