今日からマ王!
□〇〇とサラ[後編]
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「くすくす。…ユーリ…命令はしないんじゃなかったの?」
サラレギーは、ユーリの耳元で小さな声で囁いた。
「…この状態で、コンラッドが入ってきたら卒倒しちゃうよ…。」
体の自由を奪われた上に、両腕を紐で括られたユーリは溜め息混じりに答えた。
「…ふふ。そうだね。ユーリの白い肌が露わになって…綺麗。…ウェラー卿が、この姿を見たら、私は彼の剣の輝きを見る前にあの世行きだ…。」
口元に笑みを浮かべるサラレギーの長い髪がハラリと流れおちると、シャツのはだけたユーリの胸元をくすぐった。
「…なぁ…サラ、聞いてもいいかな。オレをこんな風にして…何するつもりなんだ?」
「……野暮なこと聞かないでよ。この状況でする事といったら、ひとつだろう?」
ユーリの耳朶に軽く歯をたてながらサラレギーは、シャツのボタンを更に外していった。
「あー。…やっぱり?」
「…ユーリは、初めてじゃないよね?」
そんな軽口をききながらシャツを大きく開いたサラは…ある一点を見つめて眉をひそめ…そして薄く笑った。
「…このしるし…ウェラー卿かな?」
サラの白い指が、ユーリの鎖骨に浮かぶ赤いしるしをなぞった。
「わかってんなら、聞くなよ…///。」
「…先を越されちゃったな。悔しいから私がつけ直してあげるよ。」
サラレギーは、コンラッドがつけた跡の上から、きつく吸い上げると、チリッと痛みが走り、ユーリは小さく声をあげた。
コンラッドの残した跡に上書きするように自分のしるしをつけたサラレギーは、満足げに目を細める。
「…ユーリ…私は君の甘い声が聞きたいな。」
「……うそだろ?」
「うそでもなければ、冗談でもない。……もちろん酔狂で出来ることじゃないよ。」
サラレギーは、ゆっくりとユーリに唇をよせると…あわせるだけの短いキスをした。
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