ロマンチカ
□秋の惰眠。
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「ほら…///。ウサギさん風邪ひくから、風呂に行った行った。」
秋彦の胸から視線を外し精一杯腕を突っ張ってみる美咲だったが、
「なんでそんなに嫌がるかな?初めてってわけじゃないだろ。」
「あれは、ウサギさんが無理やりっ…。……///。」
思い出して、顔を赤くする美咲の服を手早く脱がせると、浴室に放り込んだ。
「ぉわっ!?なにしやがるっ!」
「観念して、風呂に付き合え。」
端正な顔立ちに少し疲労を浮かべたまま笑う秋彦に、……まぁ…これ以上疲れさせるよりは…と、美咲はあきらめた。
「ウサギさん、カユい所はない?」
「…うん。気持ちいい」
シャンプー中の秋彦の榛色の瞳は目蓋の下に隠れて見えないけれど…
嬉しそうに微笑む口元を見ると、ウサギさんの髪を洗うのも楽しいかも…と思う美咲だった。
シャンプーの泡をキレイに流してタオルで拭くと、長い睫毛の奥から見慣れた瞳が覗く。
「…次は美咲の番だな、洗ってやる。」
「いや…結構でございますよ。」
………この流れで行くと、ヘンなとこまで洗われてしまいそうだ。
「なに期待してんの?」
そう言って、秋彦は意地悪な笑みを浮かべた。
「な…なんの期待だよっ///。」
ズバリ言い当てられ美咲は真っ赤になって湯船に逃げた。
「今、美咲が考えてること…。」
遅れて入った秋彦は、隅っこに寄っていた美咲を引き寄せた。
洗い立ての髪から雫が滴る秋彦に一瞬見蕩れていた美咲の唇に、柔らかな秋彦の唇がそっと重ねられる…。
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