エゴイストV
□バレンタインー2020ー
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玄関を入ると、安堵したのか野分が浅く息を吐いた
「とりあえず、このままベッドまで行くぞ。」
「いえ、シャワー浴びたいです。着替えもまともにしてないんで。」
「熱下がってからにしろ、体さっきより熱くなってんぞ。」
「・・・でも。」
「体拭いてやるし、着替えもさせてやるから。今日は寝とけ。」
問答無用で野分をベッドまで連れて行った。
「ほら、横になれよ。今、薬と持ってくるから。」
「すみません、風邪うつしちゃうといけないので、あとは自分でやりますから。」
「そんなヘロヘロで、何が出来んだよ?それに、オレの体は丈夫だからうつんねぇよ。」
「ホントに・・・すみません」
素直にベッドに横たわる野分が心配で、足早に薬を取りに部屋を出た。
「えーっと、熱があるから解熱剤か?いや、風邪って言ってたな?
だったら普通に風邪薬か?」
悩む時間もまどろっこしく、ペットボトルと救急箱をひっつかんで野分のところへ戻る。
「薬持ってきたぞー。・・・っ///」
「あ、はい。ありがとうございます。」
ベッドに腰掛け服を脱いでいた野分は、そう言って小さく笑う。
「おっお前なんで裸になってんだ・・・」
「えっ?ヒロさん体拭いてくれるって・・・。」
「あっ。ああ、そそそそうだったな///タタタオル取ってくるから、薬飲んどけ。」
そう言って、救急箱とペットボトルを野分に渡すと踵を返した。
ななななにドキドキしてんだっオレはっ!
野分は熱出してんだぞ、しっかりしろオレっ!
洗面器にお湯を入れながら、強かに鳴る心臓を鎮めようとする弘樹だった。
部屋に戻ると、野分は布団に入っていた。
「おまたせ。大丈夫か?」
「はい、大丈夫です・・・って言いたいですけど、正直ちょっとしんどいです。」
「だよな。ちゃっちゃと拭くから、寒いかもしれないけど我慢しろよ。」
そう言って、絞ったタオルで野分の体を拭き始めた。
「ヒロさん、ありがとうございます。すごく気持ちいいです。」
「そっか。」
何度かタオルを替えながら下腹部まで来たところで、弘樹の手が止まった。
「・・・なんか・・・さ。・・・硬くなってんだけど?」
「あ、いえ・・・あの・・・気にしないでください。」
熱あるくせに、なんでこっちは元気なんだよっ!?
「ま、まぁ拭きやすいからいいけどな・・・。」
そう言いながらガシガシと拭く弘樹の顔は真っ赤だ。
「・・・すみません。ヒロさんが触ってると思ったら勝手に反応してるだけなんで。」
野分といえば照れながらも、下半身は居心地が悪そうだ。
「つ・・・ついでだから、抜いとくか?」
弘樹は冗談のつもりで言ったのだが、
「えっ!?いやっ、無理ですっ!!!・・・ヒロさんにそんなことさせられな・・・っ
・・・ヒ・・・ヒロさん?」
「・・・無理・・・だと?このオレには出来ねぇってか!?」
「いえ、あの、そういうことじゃなくて・・・」
全力で無理と言われた弘樹は、負けず嫌いの性分に火がついてしまったようで、
あとに続く野分の気遣いの言葉は耳に届かなかったようだ。
「うるせぇよ、出せっ」
そう言って布団をめくり、野分の下半身を晒すと、
反り立つ野分のそれを掴むと緩々と扱き出した。
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