エゴイストV

□sweet candy〜再び〜
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発端は、ヒロさんが偶然宮城教授に無理矢理押しつけられたものだったんだろうと思う…。


幸か不幸か、アボリジニの秘薬…もとい媚薬入りの飴のおかげで、俺の理性は見事に吹っ飛んだ。くわえて色っぽく淫らで甘いヒロさんを拝むことが出来たけど…


あまりに可愛らしく悶えるヒロさんを際限なく抱いちゃったから、あの後暫く口きいてもらえなかったんだっけ…。


………けど、なんで俺…。


自分で買っちゃったんだろ…。


いや、理由はちゃんとあるんだ。


ヒロさんは、イヤだイヤだと言いながらも…満更でもなかったみたいだし…。


そしたら、ふと一つの可能性が頭の中に沸いてきた。

………俺ってヒロさんを満足させてあげられてるのかな…とか。


悪く言えば…


………か…考えたくないけど

…俺とのセックスに飽きてる…とか。

だから、ホントは…あーいう刺激的なアイテムを求めてるのかな…とか。


そんな事を思ったら、スパイスのように飴(アレ)があってもいいのかな…なんて…軽い気持ちで注文してみただけのに…。


届いてみたら、どこでどう間違ったのか大きな段ボールだし…、それを見たヒロさんがメチャメチャ不機嫌だったし。

そして…いつの間にか荷物は消えてるし。

飴の所在が気になってたけど、仕事が忙しくてヒロさんになかなか会えなくて…。

それが…よりによってまさか宇佐見さんに送ってたなんて…。


「………はぁぁ。」


とにかくヒロさんが帰って来る前にこの飴を隠さなくちゃ。


野分が深い深い溜め息をはいて、マンションの扉を開くと、既に見慣れた靴が玄関にならんでいた。



「…………あ…。」



……うそ…ヒロさん…帰ってきてる?


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