今日からマ王!
□〇〇の憂鬱
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ここは眞魔国。
第27代魔王渋谷有利陛下が治める国である。
その眞魔国に、同盟の方々を招いての親睦会が盛大に開かれる事になった。
「陛下。そろそろお出ましのお時間でございます。」
国賓級を招待して行われるため、ユーリを迎えに来たギュンターの声も少々緊張気味だ。
「…なぁギュンター。そんなに緊張すんなって。オレまで感染(うつ)るだろ…。」
と、冗談混じりに言いつつ正装に身を包んだユーリも相当緊張していた。
「…そうでございますね。」
…オレが、いつも以上に緊張するのは……コンラッドがいないから…。
各国の要人達が来るから警備も国賓レベルで…、コンラッドはグウェンダルの補佐として警護にあたっている。
ユーリといえば…城の中は、とりあえず安心だし
その気になれば、麗しの王佐もかなり強い…。
そんなこんなでコンラッドが来るまで部屋で待つことになったのだが、
…始まる前に…戻ってくるって言ってたのにな。
窓辺に立ち、外を眺めるユーリはコンラッドの姿を探した。
「ささっ陛下、お早く…。」
ギュンターに急かされ、小さく笑みを浮かべたユーリは、
「わかってるよ。」
…いつまでもコンラッドが傍にいないと何も出来ないようじゃ…男が廃(すた)る。
オレは眞魔国の王様なんだから、シャキッとしなきゃ…。
気合いを入れたユーリは、ギュンターに連れられパーティーが行われる会場に向かったのだった。
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