今日からマ王!

□○○と青翠の奇跡
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…今、双黒の魔王と大賢者、元王太子3人、御庭番と王佐が覗き込んでいるのは、


透き通った青と翠が、混ざり合うという…少々変わった手のひらサイズの魔石。



「…なぁ村田。これってナニ?」


「うーん。…魔石には違わないんだけどね。…ちょっと待って…思い出すから。」


魔石を前に、目を閉じて小首を傾げる大賢者様の横で


「なんと美しい石でしょう。」

スミレ色の瞳をキラキラと輝かせたギュンターに、


「ギュンターは、本当に美しいものに目がないのだな…。」

ヴォルフラムが小さな溜め息をつく。


「…で?この魔石がここにある経緯を報告してもらおうか。」


グウェンダルが、ヨザックを見る。


「はいはい。えーっとぉ、任務から帰る途中の村で、不思議な石が空から降って来て、その石が降って来た日からドラゴンが村に現れるようになって困っていると言う話がありまして…。」


「……ドラゴンか。」

大賢者は、何か記憶がつながって来たという表情だ。

「そして、こんな物騒な石があって村に災いが起こるのは避けたいと。」

ヨザックの話を補足すると、グウェンダルは眉間にシワを寄せた。


「はぁい。王都に行くなら持ってってくれというわけです。」


ヨザックは、にっこりと笑って頷いた。


「ドラゴンって“ポチ”の仲間だよね。」

ユーリは、この魔石と本当に関係あるのかな…とチョンチョンと、つついてみる。


「あっ!陛下、勝手に触っちゃダメですよ。まだ、どんな魔力があるのかわからないんですから…。」

コンラッドは、ユーリの手を退けようとすると、魔石が輝き2人を包んだ。


「へっ陛下ーっ!?」
「ユーリ!」
「坊ちゃんっ!?」
「あっ!思い出したっ」

皆が驚きの声をあげる中に、大賢者様の叫びが紛れ込む。


「え"っ?」


一同が振り返ると、渋い顔をしている大賢者は


「渋谷、ウェラー卿。…体…なんともないかい?」


「へっ?体?…別に…なんとも…。………。…あれっ?…なっなんじゃこりぁ!」


最初に素っ頓狂な声をあげたのは、コンラッドで…。


「なんです?コンラート、あなたらしくもない。」

普段コンラッドの口から聞いたことのない砕けた口調に、ギュンターが窘(たしな)める。



「…いや。あの…オレ…ユーリ。」

コンラッドは自分を指差し顔を引きつらせる。



「なっ何を言い出すのです!?。陛下に対して無礼でしょうっ。」


「…ギュンター。ユーリは嘘は言っていないよ。」

ユーリは、ギュンターを宥(なだ)めるように穏やかに話す…。



「…またまた…陛下まで、このギュンターを謀(たば)かるおつもりですかっ?」


「フォンクライスト卿…2人の言っている事は間違ってはいないよ。」


村田は、困ったように頭をポリポリと掻いた。






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