今日からマ王!
□〇〇と隠語。
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「コンラッド…居る?」
眞魔国第27代魔王渋谷有利は、コンラッドの部屋の前で扉を控えめにノックした。
部屋の扉が開き、ユーリの最愛の恋人であるコンラッドが姿を見せると…
「はい。陛下いますよ。すみません。今、お部屋にお迎えにあがろうと思っていたところです。」
見慣れた軍服の襟を整えながらコンラッドが微笑んだ。
「ああ…いいよ。夕べ、ずっと城下の警備の指揮してたんだろ?疲れてるだろうから寝てていいぞって…それ言いに来たんだ。」
「くすっ。…陛下…大丈夫ですよ。慣れてますし、軍で鍛えてますから…そんなに柔ではありません。強(し)いて言うなら、あなたと過ごす時間が減ってしまった方が余程堪えますね。」
そういうと、コンラッドを心配そうに見上げるユーリにそっと口づけ抱きしめた。
「…でも。…もう10日も続いてるじゃん。いくらコンラッドでもキツいと思う。」
ユーリはコンラッドの胸に頬を押しつけて背中に腕をまわすと、ぎゅっと抱きしめ返した。
そんなユーリの黒髪を愛しげに撫でながら、コンラッドは目を細める。
「…大丈夫です。それに仮眠もとっていますから。何より…あなたとこうしているだけで、疲れなど飛んでしまいますよ。」
「…コンラッド。」
「さぁ…行きましょ。皆が待っています。」
ユーリはコンラッドに促され、皆が待つ食堂へと足を向けた。
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