今日からマ王!
□○○と聖なる夜
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学校の帰り道、あたりはクリスマス一色で、日暮れともなると、色とりどりのイルミネーションが、輝く……。
……コンラッドに見せてやりたい。
自転車を止めて、ブルーの光りを放つ樹を見上げた。
「おーい。渋谷ーっ!」
「……村田?。どうしたんだ…こんなとこで?」
眼鏡をくいっと上げる仕草をする村田は、
「あのねぇ。ここに転生したからには、勉強はつき物なの。塾の帰りだよ。」
「村田…。…入ってんだろ、数千年分がさ…。よく入るよな…その脳みそ。」
村田の頭を指さした。
「それは、それ。今は、今だよ。僕は君の参謀だからね。必要ない知識なんてないんだよ。」
「…そっか。」
オレの知ってる大賢者様は……ホントに偉い。
「………ところで…渋谷は?…なんでここで樹なんか見上げてんの?」
「えっ?……あ…いや…。別に……///。」
「はは〜ん。さては、ウェラー卿に見せてあげたいな…とか?」
………図星ですよ。大賢者様……。
「……まぁね。だって綺麗じゃん。………見せてあげたいって思うよ。」
「…ほんっとに君は、ウェラー卿が好きなんだね……。」
「……わりぃかよ///。」
「………いや。そんなことないよ。君が本気で好きになったんだから。……そういう気持ちって…大事にしないとね。」
村田は、男の人を好きになってしまったオレを笑ったりしない……。
「…お前って…いいやつだな。」
「ははっ。……いいやつついでに、眞魔国に行っとくかい?………どうする、渋谷?」
「行くに決まってんじゃん。手伝えよ村田。」
一人だと、疲れるんだよね…
それがわかってる村田は
「はいはい……。お手伝しますよ。」
と、笑った。
オレは、村田と近くの公園の池から行こうと提案したが、「この寒空の下、池に飛び込んで眞魔国へ行く前に、あの世に逝くのはごめんだ。」…と村田がゴネたので……、
………結局、オレんちの風呂を使うことになった。
「行くぞ。村田っ。」
「うん。行くよ。せーのっ!」
勢い良く飛び込んだ。
久しぶりのスタツア…。
到着予定地は、魔王専用風呂っ!無事についてくれよ……。
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