今日からマ王!
□○○の果実
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今日は、コンラッドと2人で遠乗りに出掛けた。
もちろん、オレは愛馬のアオに跨って……。
「どう?コンラッド、オレも少しはマシになったろ?」
暗に、乗馬の訓練の成果を褒めてもらいたくて聞いてみた。
「はい。以前に比べたらだいぶ上手になりましたよ。」
青く澄んだ空の如く爽やかな笑顔でコンラッドが答える。
オレは、嬉しさとともに相変わらずのコンラッドのかっこよさに、思わず照れてしまい、
「へへっ…///。そうかな………?」
コンラッドの笑顔とは、対照的にだらしない笑みを浮かべてしまう。
「陛下、今日はこの先にある湖まで行きますよ」
「うん。どんな所か楽しみだ。早く行こっ。」
オレは、はしゃぎついでに、アオのわき腹を軽く足で蹴って、少しスピードをあげるよう合図した……
のに……思いのほか、アオは、勢いよく大地をけり、オレは情けない悲鳴と一緒にコンラッドをグングン引き離す。
「うわあぁぁぁーっ。ちょっ!ア、アオー!?もっとゆっくりーっ」
「っ!陛下っ」
コンラッドは、慌ててノーカンティーのスピードをあげるけど、さすがは、眞魔国で一、二を争う名馬…アオ……。
………早い。
「陛下っ、手綱をしっかり引いて!絶対離さないで下さいっ!」
耳をかすめる風の音の中に、少し後ろから聞こえるコンラッドの声を必死にひろいながら、手綱を引いてみる。
「アオっ!お願い!お願いしますっ!止まってくれえぇぇーっ。」
アオにしがみつき、もうどこをどう来たのか…。
やっと、止まってくれたアオから、やっとこ降りて、手綱を木にくくりつけ辺りを見回した。
「……コンラッド。」
…まいったな…。コンラッドどこにいるんだろ。
「おーい!誰かいませんかぁ!」
森の中を改めてぐるりと見渡すと、茂みの奥にキラキラと明るいのが見える。
とりあえず、アオの手綱を掴んで光の方へ行く。
茂みを抜けた、そこには…美しい紺碧の湖。
「……すごい…。」
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