ロマンチカ
□秋の惰眠。
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「ウサギさん、そろそろ布団出そうか?」
めっきり秋深し今日この頃…。
夕べ、オレは肌寒さを感じ目が覚めてしまった。
………というわけで布団を出さねばと、この家の主…宇佐見秋彦大テンテーにお伺いをたててみた。
「…ああ。頼む。」
ウサギさんに追い込みをかけ2日間完徹し、仕上がった原稿を受け取った相川さんが、フラフラしながら社に戻ったのは今朝のことだった。
元凶であるウサギさんといえば…だらしなくソファーに寝そべって鈴木さんと戯れ中だ。
相川さんも然(さ)る事ながら、自業自得とはいえ…ウサギさんも徹夜明けなわけで…
「ウサギさん、少し眠った方がいいよ。お風呂の準備したし…入ってさっぱりして来たら?」
鈴木さんの手をプラプラしていたウサギさんの動きが止まり…
「美咲も一緒に入る?」
「入らねーよっ///。今日、天気いいから布団天日干しするし…。洗濯も今からだし…あっそうだ、今着てるやつもついでに洗うからさ、風呂行って脱いでよ。」
追い立てるように風呂場に連れて行くと、渋々秋彦は上着を脱ぎ始めた。
洗濯カゴを持ったまま後ろに立っていた美咲に脱いだYシャツを手渡し、
「美咲…俺のストリップに興味あるの?」
「…えっ!?…ぅわっ…ゴメンっ…///。」
すっかり、家事モードになっていた美咲の頭は、洗濯後の段取りでいっぱいになっていたのに、秋彦の一言で恥ずかしさのあまり顔を赤らめ背を向けた。
「美咲、一緒に入ろう。」
「オ…オレ…まだやることいっぱいあるしっ!」
「じゃあ、それは後回しだ…。」
秋彦は、美咲からヒョイと、カゴを取り上げ腰を引き寄せる。
「久しぶりに美咲補給…。」
上半身裸の秋彦の胸に顔を押し付けられた美咲は、逃れる術を見いだせず…そして、久しぶりに触れる感触と秋彦から伝わって来る鼓動に耳を澄ませた。
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