エゴイスト

□予約
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「……ただいまです。」

「おかえり。野分、飯出来てんぞ。」


「あ、はい。」

どこか、気の抜けた野分の返事に、弘樹は首をひねる……。


いつもなら、「おかえりのキス」とか言うのに…


「……?野分?なんかあったか?」

ピクンと野分の肩が小さく揺れた…。

オレは、それについて問うつもりもなかったので、あえて気づかないふりをした。





………なのに、






………ここ何日か、野分の様子がヘンだ。


もの思いにふけったり、

溜め息をついたり、


どこか……遠くを見ていたり…。


そして、明らかにオレに触れて来ない。


……触れようとしない。

オレなんかしたっけ…?

別に、ナニをしたいわけじゃない……。

…ただ、いつもベタベタして来る野分が、して来ない事に……物足りない…だけだ……。



………オレも、こんな事を考えるなんて…相当野分にのめり込んでんのか?





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