ロマンチカU

□ウサギとミサキの新年会
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「美咲、何か飲むか?」

「ウ…ウサギさん、オレのことはいいから放っといてよ。」

顔を引きつらせた美咲は、あたりを気にしながら小声で秋彦に耳打ちする。


美咲が焦るのも無理はない。

この丸川書店の新年パーティー会場には、丸川がかかえる大物作家達がズラリと顔を揃えていた。


その中でも際立って見える人物は、ブランド物のスーツをサラリと着こなし、周りに一味違うオーラを放つ秋彦は常に注目の的だ。


その秋彦が、一介のバイト小僧に飲み物の伺いを立てるなど、あってはならない事で…美咲は大いに冷や汗を流していた。




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