エゴイストU

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昂る気持ちと体を抑えようとする弘樹は

「のっ…野分のは、オレが脱がす。」

シャツくらいは…と、体を起こした。


「えっ?無理でしょ。俺は自分で脱ぎますから大丈夫ですよ。」


……なにその最初(はな)から出来ないみたいな言い草は…。

「大丈夫だ。まかせとけって。」

なにも一から十まで野分に面倒みてもらう必要はないんだ。

ボタン外して脱がせるだけなんだから、見えなくたってオレにも出来る。

「いや…でも、ホントに…」

なぜか遠慮がちな野分に…

見えないせいで自由が利かず、既に色々とフラストレーションを溜めていた弘樹の中で、とうとう何かがプチンと音をたてて切れてしまった。


「………うるせぇ。出来るったら出来るっ。やるったらやるんだよ!」


ついさっきまで…しおらしかったはずの弘樹は、手探りで野分の襟首を掴むと、一旦締め上げてから勢いよくボタンを外していった。

「あれ?…あの…ちょっ…ヒロさん!?」


慌てる野分に構わずジーンズのホックにも手をかけた。


「ヒ…ヒロさんっ…///」

「うるせぇ!」

すべてが手探りのまま、下着の中に手を突っ込んだ弘樹はピタリと手を止めた。

ギュッと握り込んだ野分のソレに驚き、一気に我に返った弘樹は、

「…あ…!?…ぃゃ…悪い……///。」


パッと手を放し、野分の下着から手を抜いた。


「…いえ…。……いいですけど…。」

バツの悪そうな野分の声に怪訝そうに首を傾げる。

「なんだよ?」

「…ヒロさんが色っぽ過ぎて…すぐこんな風になってしまう自分が、ちょっと恥ずかしくて…。」


「……べ…別に…恥ずかしい事じゃねぇだろ。」

オレ見えないし…。


「…ヒロさん。」

野分は弘樹の手首を掴むと、

「俺の…触って下さい……。」

自分の陰茎に弘樹の手を触らせた。


視覚が不自由でも、野分によって添えられた手のひらから伝わる熱と形は、弘樹に…はっきりと伝わった来た。






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