エゴイストU
□+視界2+
3ページ/9ページ
昂る気持ちと体を抑えようとする弘樹は
「のっ…野分のは、オレが脱がす。」
シャツくらいは…と、体を起こした。
「えっ?無理でしょ。俺は自分で脱ぎますから大丈夫ですよ。」
……なにその最初(はな)から出来ないみたいな言い草は…。
「大丈夫だ。まかせとけって。」
なにも一から十まで野分に面倒みてもらう必要はないんだ。
ボタン外して脱がせるだけなんだから、見えなくたってオレにも出来る。
「いや…でも、ホントに…」
なぜか遠慮がちな野分に…
見えないせいで自由が利かず、既に色々とフラストレーションを溜めていた弘樹の中で、とうとう何かがプチンと音をたてて切れてしまった。
「………うるせぇ。出来るったら出来るっ。やるったらやるんだよ!」
ついさっきまで…しおらしかったはずの弘樹は、手探りで野分の襟首を掴むと、一旦締め上げてから勢いよくボタンを外していった。
「あれ?…あの…ちょっ…ヒロさん!?」
慌てる野分に構わずジーンズのホックにも手をかけた。
「ヒ…ヒロさんっ…///」
「うるせぇ!」
すべてが手探りのまま、下着の中に手を突っ込んだ弘樹はピタリと手を止めた。
ギュッと握り込んだ野分のソレに驚き、一気に我に返った弘樹は、
「…あ…!?…ぃゃ…悪い……///。」
パッと手を放し、野分の下着から手を抜いた。
「…いえ…。……いいですけど…。」
バツの悪そうな野分の声に怪訝そうに首を傾げる。
「なんだよ?」
「…ヒロさんが色っぽ過ぎて…すぐこんな風になってしまう自分が、ちょっと恥ずかしくて…。」
「……べ…別に…恥ずかしい事じゃねぇだろ。」
オレ見えないし…。
「…ヒロさん。」
野分は弘樹の手首を掴むと、
「俺の…触って下さい……。」
自分の陰茎に弘樹の手を触らせた。
視覚が不自由でも、野分によって添えられた手のひらから伝わる熱と形は、弘樹に…はっきりと伝わった来た。
.