変わり種
□◆祝賀◆
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……………。
ズズズー。
結局、4人でお茶をすする音が広いリビングに響く。
美咲は俯いたまま視線だけで様子を窺うと、テーブルを挟んだ向かい側のソファーには…
…眉間に恐ろしいシワを浮かべて不機嫌な顔をした“鬼の上條”の異名を持つ上條先生と、
厳しい表情で、ぴったりと寄り添うようにして上條先生の隣に座る草間さん…
そして…オレの隣には、なぜだかニコニコと気味が悪いほど上機嫌なウサギさんが座っている…。
………いたたまれない。
こういう異様な空気を打破するには、どうすればいいんだろう。
「…お…お茶入れ直しましょうか?。」
「いいから美咲、座っていなさい。」
……おい。
「……秋彦にしては珍しいよな?オレ、何度もお前んち来てるけど、人に会ったの初めてだ。」
湯のみをテーブルに置いた上條先生は、そう言ってオレをチラリと見る。
…オレだって…。
まさか、先生にお会いするとは思いませんでしたよ。
………もしかして、今まで出会わなかったのは奇跡なんでしょうか…?
「何度も…って、いったい何回来たんですか?」
草間さん、先程までのもの静かなあなたは…どこへいっちゃったんですか…?
「くすくすっ。たまにだよ…もちろん君が心配するような事もまったくないし…。」
…ウサギさん…なにその挑発的な発言。
それでなくても、2人とも気まずそうなのに…。
これ以上、波風立てないでほしい。
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