変わり種

□◆祝賀◆
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………とは言うものの…どうしたもんか…。


電話線の入った袋をぶら下げ、通りかかった花屋の前…。


…餅は餅屋…か。



美咲は、花屋に足を向けた。


「あの…すみません。」

「はい。いらっしゃいませ。」


とても背の高い店員さんが迎えてくれた。


「…あの…。」

美咲は、遠慮がちに口を開く。

「はい?」

もの静かなその青年は、美咲を急かすことなく次の言葉を待つ。


「あの…教えてほしいんですけど…花の手入れっていうか…花瓶に飾りたいんですけど…やり方がよくわからなくて…あの…家に帰ったら花束いっぱい貰っちゃってて…。」


買うわけでもないため、申し訳ないと思いつつ…めちゃくちゃな文法を使っていることには、まったく気づかず話す美咲だった。


そして、そんな美咲の話にも、その店員は優しい笑みをむける。


「…いいですよ。どんな花ですか?」


「…それが、バラ以外はよく知らなくて…。こんなんじゃ…無理ですよね…。」


「くすっ。もし良かったらですが、俺…家に伺いますか?もうすぐバイト終わる時間ですし…。」


「えっ?いいんですか?…でも…ご迷惑じゃ…」

「大丈夫ですよ。ちょうど、今日約束していた人が用事があるとかで、…少し約束の時間に遅れるので、1時間くらいなら。」

…なんていい人なんだ。

普段、ワガママで理不尽なウサギさんと生活しているからか、天使に見えるよぉー。


「十分ですっ!家近いので…そんなに時間かからないと思うし、ありがとうございます。助かります。あの…オレ、高橋です。高橋美咲って言います。」

「俺は、草間野分です。よろしくね…高橋君。」

「美咲でいいです。」

「…じゃあ。美咲君よろしくね。」

「はいっ!よろしくお願いします。」


美咲は、嬉しそうに笑った。




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