エゴイストU
□素材+オマケ+
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街で見つけたイケメン君に聞きました。
Q.どうして、モデル引き受けてくれたんですか?
N.お金が欲しかったんです。
Q.………お金…ですか。それはまた…どうして?
N.はいっ!恋人に買ってあげたい本があるんです。
Q.…本が好きな恋人なんですか?
N.そうなんです。本ばかり読んでいるので、時々、本に嫉妬してしまいます。
Q.…嫉妬するのに本を買ってあげるんですか?…どんな人なんです?
N.…本は、あの人が喜んでくれそうだから。俺の好きな人は…恥ずかしがり屋な人で、乱暴で、優しくて、俺を包み込んでくれる広い心の持ち主で、すぐに殴る純情な人で…とても…とても大切です。尊敬しています。
Q.…想像し難い…恋人ですね。ついでに聞きたいんですが…、服の間からチラッと見え隠れしてる赤いのは…。
N.はい。お願いして付けてもらいました。
Q.…やっぱりですね。…話題変えます。これが発売されたら、かなり人気者になりそうですけど…続ける気は?
N.ないです。本業が忙しいので…。
Q.あらら。カメラマンが残念がりますね。素晴らしい素材を見つけたと喜んでいましたから。…差し支えなければ、本業を教えてくれませんか?
N.ありがとうございます。でも…モデルさんって、思ってたより大変で…とても無理です。本業については秘密です。
Q.残念ですね。では…最後に最愛の恋人に一言どうぞ。
N.はい。…では…。あなたをずっと愛しています。…以上です。
………のーわーきーっ。
家に帰ったら、絶対…ぶん殴ってやる。楽しみにしてろ…。
弘樹は、たっぷりと眉間にシワをよせながら…
誰かが、野分のページの角を折って目印にしていたのを、一つひとつ伸ばしながら舌打ちした。
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