エゴイストU
□素材+オマケ+
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…コンコン
「失礼しまぁす。上條先生、雑誌持って来ました。」
来たーっ!待ってたっ。この瞬間っ!
「…なんだ。ホントに持ってきたのか?じゃあ…その辺に置いといてくれ。」
オレは、パソコンに向かったまま、忙しい振りをしながら答えた。
「はーい。んじゃ、ここ置いときます。失礼しました〜。」
「ああ。ご苦労さん。」
パタンとドアが閉まり、そろ〜り後ろを振り返った。
さてさて野分。どんな風に写ってるんだぁ?
雑誌を手にとり、パラリと表紙を開くと…
オレでも見覚えのある奴らが爽やかに笑っている…。
野分は…と…。
ペラペラとページをめくり…先に進むと、
見慣れた笑顔に迎えられた。
![](http://id53.fm-p.jp/data/254/ryu4333/pri/32.jpg)
……野分…だ。
…なんだ…普通じゃねぇか。
もっと…こう…派手派手な感じかと思ったのに…
テーブルに手を置き頬杖をついた野分は、柔らかい笑顔を浮かべていた。
この表情…好きだな…。
更にページをめくると、プロにいじってもらった髪型は、摩訶不思議な形状をしており、この夏、流行るであろう服を身に纏って立っている。
![](http://id53.fm-p.jp/data/254/ryu4333/pri/33.jpg)
あごを上げ、少し生意気そうな視線を向ける野分に…こいつも、こんな表情出来るんだなと感心した。
普段…上から目線で、こんな顔されたら、オレは不快オーラ出しまくりだろう…。
…いや………この表情…最近見たぞ。
…ベッドの上で…一瞬だけオレに見せた。
…そっか。あの日は、これの撮影だったんだな。
あいつでも、上手く切り替えられない事ってあるんだな…と、へんに納得してしまうオレだった。
その後も数枚野分のページがあり、先程、彼女達が言っていたインタビュー記事が出てきた。
さっと目を通すと…
……………///。
……あのクソガキっ。
なんて事を言ってくれてんだっ!
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