エゴイストU

□禁断。
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俺は、仕事をズルズルと引き伸ばし…終電が間に合わないくらいの時間に終わらせた。…もちろん野分を道連れにして…。



そして…然(さ)も終電に乗り遅れたように見せかけ…野分の家に泊まることにした。


途中で酒を少なめに買い込み…彼らの家に転がり込んだ…。


「上條さん…すみませんね。いつもお邪魔しちゃって…。あの…これ…毎度タダで泊まらせてもらっちゃってるんで…お詫びに…一緒に飲みませんか?」

…不機嫌だ。上條さんってば、ものすごーく不機嫌な顔してる…。

当たり前だわな…こうも毎度毎度2人の時間を邪魔してるわけだし…。


…でも…それも今日で終わる。俺の目的を果たす夜なのだから…。





上條さんは、快く…と…まではいかなくても、部屋にも入れてくれたし、酒にも付き合ってくれた…。


野分は、俺の邪(よこしま)な気持ちになど気づくはずもなく…上條さんと共に俺の酒の相手をしてくれている…。


男3人で飲んでるから…買ってきた酒なんか確実に底をつく…。


少しだけ酔った振りをして…

「野分ーっ!酒買ってきてくんね?俺、もう少し飲みたい。」

「えー?…今からですか?」

「そー。頼むから買ってきて。金出すからさ。」

財布を手渡すと、チラリと視線を移した野分に、「しかたねぇだろ…。」と言わんばかりに上條さんは小さく頷き…野分に買い出しを任せた。

ここまでは予定通り…。

順調に作戦は進行中だ。


…そして野分が帰ってくるまでのおよそ30分の間に…俺は…

……上條さんを抱く。




逸(はや)る気持ちを抑えながら…努めて平静を装い…

「上條さん、すみませんが氷もらえます?」

「……氷?」

野分が居なくてつまんなそうな上條さんだったが…野分の客人に失礼のないように…なんて気持ちは…あるようで…

よっこらしょと腰を上げると冷蔵庫へと向かった。


その隙に俺は、ポケットに忍ばせておいた睡眠薬を上條さんのコップに入れた。


……一応…俺は医者なので…一番速効性のあるヤツを見繕ってきた。

こういう事に知識を役立てるのは、良くないって事は重々承知しているが…

欲望が勝ると、良心の呵責など…どこかに飛んで行ってしまう。





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