エゴイスト
□返り討ち
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「マジ放せって…。オレは、まだやることあんだよ。」
「…ダメです。もう少しこうしていさせて下さい……。」
野分にガッチリホールドされて身動き出来ない。
「…ったく…。」
「ヒロさん、俺帰って来た時…起きてましたよね…?」
野分の一言にギョッとする。
「お…ぉお起きてるわけねーだろ。」
「えー。絶対起きてましたよ…。瞼がピクピクしてましたもん。」
「しっ知らん……///。オレは寝てたっ!」
オレは、野分に気づかれていた事に驚いて、まわされた腕の中でジタバタと暴れた。
「…っ!ヒ、ヒロさん…あんまり暴れないで。」
「うるせえっ。」
更に暴れてやった。
「だっダメですって。あまり、動かないで下さい。」
「……………えっ?」
………なんか腰のあたりに…?
「…野分。…なんか…あたってんだけど…?」
野分は、困ったように、ふーっと息をはいた。
「………だから、言ったのに…。」
……どうも…寝た子を起こしてしまった……らしい………。
「…すみません。」
「いや…謝られても…なぁ。ホ…ホラ…野分にとっては、朝だし…し…自然な生理現象…つうか…。まぁ気にすんな…」
「……気にするな…と、言われても………。」
…そりゃ、なにか?
太陽の光が燦々と降りそそぐ、今の時間ってかっ!?
「…待て。待て野分っ!理性で鎮めろ。お前なら出来るっ!」
「…無理です。」
「いや。野分なら出来るはずだっ!…オ…オレ…は出来たぞっ!」
「…?……出来た…?」
…げっ…。やぶへびだ…
「…いや。その…何でもやれば出来るって話だ」
「…いつ?…我慢してたんですか?」
それをオレに言わせるか……?
「…ヒロさん。」
くるりと向きを返られると、言うまで放さないといった顔で笑う。
……しかたないか。
「…………///。…夕べだよ…。」
「…じゃあ、あの時…」
「………わりぃかよ。」
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