エゴイスト
□好きの進化系
2ﾍﾟｰｼﾞ/7ﾍﾟｰｼﾞ
『はい。でも、心配なんで……。店に着いたら電話します。』
「おい。野分っ！」
……プツン
「……切りやがった。」
…野分のやつ、ホントに来るつもりか？
半信半疑のまま、携帯をポケットにしまい、学生達のもとに戻った。
「うっひゃひゃ。あー先生、おかえりー。」
……げっ…。でき上がってやがる………。
ちょっと席を外してた間に、みんなそこそこに酔っていた。
「先生、彼女いないんですか？」
オレに酒をすすめて来た女の子が興味津々といった顔をして聞いて来た。
オレには、野分という恋人がいるが、さすがにそれを暴露するわけにもいかず………
「……さぁな。ご想像にお任せします。ってとこかな。」
「え〜。じゃあ立候補しちゃおっかなぁ。」
………酔っぱらいは恐ろしい。
教育者のオレをつかまえて交際の申し込みかよっ！？
「あーはいはい。残念ながら、酔っぱらいの戯言に付き合う気はねぇよ。もう帰って寝ろ。」
…………オレも酔っ払っているが、ここまでバカなお誘いについて行くほどじゃない。
「こいつ彼氏と別れたばっかなんですよっ。」
………なるほどね。
「はい。先生、こんなのほっといて飲みましょう。」
「オレは、もういいよ。そろそろ帰るし…。」
「やだ。先生ダメですよ〜。はい。どうぞ。」
………ったく…。
そう思いながら、渡されたコップの焼酎を流し込んだ。
…っ。…こっ濃い……。
「ゲホッ！なんだこりゃ！？めちゃくちゃ濃いぞっ！」
「先生、気をつけて〜。狙われてますよ〜。」
一人の学生が、ついでとばかりに茶化す。
……狙う？……なにを？
「なにいってんだ。…ヒック…。あれ？」
「あ〜ん。先生酔ってきたみたーい。」
「……そんなに、酔ってないぞ？……ヒック。」
あれ…酔ってる？……いや…そんなに飲んでないし…
「先生、さっきの電話って、恋人ですか？」
さっきから酒をすすめてくる女の子が聞いてきた
．